これは友達から聞いた話でございます。
夕方、薄暗くなった頃、町内の用事が出来たということで、幼い姉妹を残して両親が出掛けて行きました。
小一時間ほどで帰ってくると言うので、テレビを見ながら居間でくつろいでいると、ふと、玄関で気配がする…
妹が「帰って来た!」と玄関へ向かう。
少し早いなと思いつつ、姉も玄関へ…
「嫌ぁ」
妹が、玄関の明かり取りの窓を見ながらガタガタと震えている。
姉も明かり取りの窓に目をやる。
「うぉぉ」
言葉にならない嗚咽を漏らす。
その明かり取りの窓に時折、トントンとぶつかりながら、火の玉が青白い尾を引いて飛んでいるではないか!!
二人は震えながら玄関にうずくまり、目をつぶって両親の帰りを待った。
程なくして
ガチャガチャ
玄関のドアが開いた。
姉が顔を上げる…
妹も怖々目を開ける。
「お母さん、怖かったよぉ」
妹が泣きながら母親に抱きつく。
姉も泣きながら叫ぶ。
「火の玉が飛んでたの」
両親は顔を見合わせて笑う。
「車のライトか何かと見間違えたんだろ?お父さん達が帰った時には、何もなかったよ」
父親が優しく笑う。
母親も笑う。
妹が泣きながら本当に見たんだと訴えている。
姉は見間違えたんだと自分に言い聞かせるように妹をなだめた。

これには、まだ続きがありまして。
何年か後の話。
父親の転勤の為、その家を引っ越す事になった時、何とはなし、火の玉を見た話になりました。
母親が言うには、町内の用事とは、お通夜だった事。実は、火の玉が飛んでるのを両親も見ていて、慌てて家に帰ったという事だったのです。
お通夜と火の玉の繋がりは、どうだかわかりませんが、火の玉が飛んでいたと言うのは事実だったようです。
ご清聴ありがとうございました。
パシッパシッ!
夕方、薄暗くなった頃、町内の用事が出来たということで、幼い姉妹を残して両親が出掛けて行きました。
小一時間ほどで帰ってくると言うので、テレビを見ながら居間でくつろいでいると、ふと、玄関で気配がする…
妹が「帰って来た!」と玄関へ向かう。
少し早いなと思いつつ、姉も玄関へ…
「嫌ぁ」
妹が、玄関の明かり取りの窓を見ながらガタガタと震えている。
姉も明かり取りの窓に目をやる。
「うぉぉ」
言葉にならない嗚咽を漏らす。
その明かり取りの窓に時折、トントンとぶつかりながら、火の玉が青白い尾を引いて飛んでいるではないか!!
二人は震えながら玄関にうずくまり、目をつぶって両親の帰りを待った。
程なくして
ガチャガチャ
玄関のドアが開いた。
姉が顔を上げる…
妹も怖々目を開ける。
「お母さん、怖かったよぉ」
妹が泣きながら母親に抱きつく。
姉も泣きながら叫ぶ。
「火の玉が飛んでたの」
両親は顔を見合わせて笑う。
「車のライトか何かと見間違えたんだろ?お父さん達が帰った時には、何もなかったよ」
父親が優しく笑う。
母親も笑う。
妹が泣きながら本当に見たんだと訴えている。
姉は見間違えたんだと自分に言い聞かせるように妹をなだめた。

これには、まだ続きがありまして。
何年か後の話。
父親の転勤の為、その家を引っ越す事になった時、何とはなし、火の玉を見た話になりました。
母親が言うには、町内の用事とは、お通夜だった事。実は、火の玉が飛んでるのを両親も見ていて、慌てて家に帰ったという事だったのです。
お通夜と火の玉の繋がりは、どうだかわかりませんが、火の玉が飛んでいたと言うのは事実だったようです。
ご清聴ありがとうございました。
パシッパシッ!