かりな&ここちゃん、ハイ!

花火屋さんからもらった仔犬は、やんちゃで受け口だけど出っ歯な、もとい立派な犬に成長しました。 でもかりなハイはやめて。

番外編 怖い話 「留守番」講談風

2019-08-19 03:18:08 | 番外編
これは友達から聞いた話でございます。

夕方、薄暗くなった頃、町内の用事が出来たということで、幼い姉妹を残して両親が出掛けて行きました。
小一時間ほどで帰ってくると言うので、テレビを見ながら居間でくつろいでいると、ふと、玄関で気配がする…
妹が「帰って来た!」と玄関へ向かう。
少し早いなと思いつつ、姉も玄関へ…

「嫌ぁ」
妹が、玄関の明かり取りの窓を見ながらガタガタと震えている。
姉も明かり取りの窓に目をやる。
「うぉぉ」
言葉にならない嗚咽を漏らす。

その明かり取りの窓に時折、トントンとぶつかりながら、火の玉が青白い尾を引いて飛んでいるではないか!!

二人は震えながら玄関にうずくまり、目をつぶって両親の帰りを待った。

程なくして
ガチャガチャ
玄関のドアが開いた。
姉が顔を上げる…
妹も怖々目を開ける。

「お母さん、怖かったよぉ」
妹が泣きながら母親に抱きつく。
姉も泣きながら叫ぶ。
「火の玉が飛んでたの」
両親は顔を見合わせて笑う。
「車のライトか何かと見間違えたんだろ?お父さん達が帰った時には、何もなかったよ」
父親が優しく笑う。
母親も笑う。
妹が泣きながら本当に見たんだと訴えている。
姉は見間違えたんだと自分に言い聞かせるように妹をなだめた。



これには、まだ続きがありまして。
何年か後の話。
父親の転勤の為、その家を引っ越す事になった時、何とはなし、火の玉を見た話になりました。
母親が言うには、町内の用事とは、お通夜だった事。実は、火の玉が飛んでるのを両親も見ていて、慌てて家に帰ったという事だったのです。
お通夜と火の玉の繋がりは、どうだかわかりませんが、火の玉が飛んでいたと言うのは事実だったようです。

ご清聴ありがとうございました。
パシッパシッ!
コメント
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