☆it's carmen's way☆ 

365kimono なきゃつくる料理

エミリー・ウングワレー展

2008-07-08 11:06:57 | 快適空間・綺麗な景色
アボリジニ(オーストラリア原住民)・アート、らしい。広告の絵をみて、正直何かよくわからない、と思った。70歳過ぎから初めて作品を作り出したとある。プリミティブアート??同じ都内に出て美術展をみるなら絵画のプロが色に形を計算しつくした芸術から何かを受け取りたいな、と迷ったけど、ただ広告に次々違う絵を見ると(コメント欄のリンク)、ちょっと行ってみてみたい気持ちになった。


70数歳デビューとはありながら、それは形に残せる作品として、というだけで、
彼女はずっとアボリジニの生活を続けていて、ボディペイングや地上画を生活に必要な儀式として描き続けてきた絵画のプロだったわけだ。プロといっても西洋式の絵画の勉強をしたわけでもなく、国外に出たこともなく、字を読めない(使わない)。彼女が自分のコミュニティで必要とされた自然大地の恵みに感謝する儀式、生活上必要な食べ物を確保するための経験や知識、それを彼女の全てとし、それのみを自分の絵画作品の対象として、数限りない要望に応じて生み出し続けた作品群。

夢や空想の世界とかじゃなかった。季節のうつりかわりによる植物の成長など含めた自然の大小含めた変化。現実事象の全ての受け入れとその賛美・感謝。絵に迷いが見受けられない。これは80年間アボリジニとして生活してきたことの誇りそのもののように思えました。

あと、絵画として色彩と形というバランス。洗練されてました。しかも短い日数でできたものがほとんどらしい。
プリミティブアートらしいから期待できないかも?という思いは見事打ち消される。


そして、やはり実物のパワーに勝るものはない。遠くで見たいバランスの絵ばかりなのだけど、東京の美術展のわりに人が
珍しく少ないのをいいことに偶然ほかに鑑賞する人がいない隙に、じっと近くに寄って見る。

離れてると伝わらない、力強さのオーラがぐぐっと現れてくる。

それがある絵とない絵がある。多分主観の問題??


独自の文化レベルが高い事について。アボリジニは採集による食生活。干ばつでも2-3時間探せば1日十分食べる量がみつかるそうな。で、食確保以外で費やせる時間がたくさんあること~これは大きい要素だと思った。


実はあの、一見、何が書かれているかわからないような絵は実は文字を持たないアボリジニが、採集民族である作物や水のとれる場所などのしるしを描き、それをわからないように上から埋め尽くしたものでもあるらしい。それをわかった上でじいっと時間をかけてみてると様々なものが見えてきます。なんとも深い絵画です。そして時間はたっぷりとって見にいくことをオススメ。しかも空いてるし!


あと、アボリジニ音楽も入ってるとあるイアホンガイド500円も珍しく借りる。
暗めな会場にある解説を読む時間すら、作品を眺める時間にまわしたい私にはぴったりでした。

結局最後の15分だけ起きた娘に、日を改めることもなく、さっさと彼女の求めるスピードで見所を紹介できたのもよかった!

図録も結局この感動を忘れたくなくて買ってしまった。2500円。実は前売り逃した今、ここのHPでは当日券(1300円)+図録(2500円)で3500エンという300円お得なセット券を売っていたのだけど、欲しくないと思ったときのためにやめていた。

正直入場直前図録だけ先にみてもほしいと思わなかった・・・でも買ったのは感動の記録!


画像の絵の左上のほうにイヌの足跡があります。アウトドアの地面にキャンバスをおく彼女ならでは・・・・!
Comments (3)    この記事についてブログを書く
« 美術館と六本木の七夕 | TOP | ほおづき市~上野 »

3 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
ウングワレーさん (carmen)
2008-07-11 22:41:10
<かずみさん!ようこそ!!
不正確に書いててもリンクひっかかるんだね(^.^;
手元の図録にEmily Kame Kngwarreye とあります。
イアホンガイドを音楽メインに繰り返し続け、2時間も聞いてたのに、カタカナ正確にかけない私って・・・
書き直しますっ

もし、この展示、気になるなら絶対足運んでみて!!
返信する
偶然みつけちゃいました (かずみ)
2008-07-11 18:52:47
carmenに教えてもらったエミリー・ウングレー展(正確にはエミリー・ウングワレーみたいよ)、もう少し詳しくインターネットで調べてみようと思ったら、なんとcarmenのブログに来ちゃってびっくりしました。
先日、額装(フランスでちょっとかじったおけいこ)の体験に行った時にとなりのおば様が持って来ていた絵がラストシリーズの紫系の絵でした。絵葉書でしたが、素敵な絵だなと思い、聞いてみたら、アモリジニの絵画展の話を聞いてかなり気になっていたところです。実物みたら感激だろうな。
返信する
展示構成 (carmen)
2008-07-08 13:15:41
http://www.emily2008.jp/display.html

このラストシリーズの紫系の絵。この簡素かつ雄弁さに圧倒されて見に行くことをきめました。裏切られませんでした!
返信する

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Recent Entries | 快適空間・綺麗な景色