人生の醍醐味とは忘却にある。
などと語ってしまいたくなる、そんな気分。
人生の機微というか、ささやかながらうれしいことがあった。
定期預金である。
先月末、実家に帰ると定期預金の満期を知らせるはがきが3通届いていた。
10年前の4月、一人ぼっちの出張所に赴任したばかりのとき。まだ独身だった。お金に余裕があったので、毎月1万円ずつ定期預金を積むことにした、みたいだ。
その後、4回の引っ越しを経て、結婚をして、子どもができ、職種も変わった。定期預金のことはすっかり頭の中から消えていた。
それが満期を迎え、10年の時を超えて、私の下に舞い降りてきたのだ。
本来、自分で出したお金なのだから損得はない(厳密には300円足らずの利子が得になるが…)。
しかし、自分の財産としてまったく失念していたのだから、「得」である。
しかも、女房に知られていない、「私固有」の財産なのである。
◇
10年前、4月から始めて何ヶ月間定期を積んだのか覚えてはいないが、満期を迎えるたびにそれを知らせるはがきが届くという。
この2日間(10、11日)、お金を使っていない。お小遣いをもらえないのだ。
女房に知られていないタイムカプセル。まさに「埋蔵金」。
忘れていると、いろいろな幸福に出遭えるなぁ。
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