当局語

　ウィキペディアの信用性は、ここ数年で格段に落ちている。



　多くの人たちの書き込みによってつくりあげる―という発想は良かった。


　ただ、役人が手前勝手に操作したり、企業の恣意的な書き込みが連発したりで、もはや「世界のみんなからの情報で成り立つ」という理想は崩れてしまっている。



　「郡山市」の欄を見ていて、少し落胆してしまった。

　福島県の交通の要衝であることや経済活動が比較的活発であることなどの記述の合間に「本県では」という表現があった。


　役人が使う「当局語」である。書き込みした人は、悪意はなかったかもしれない。しかし、役人による恣意的な情報という臭いが、記述の端々に感じられてしまう。


　「当局語」が出てくる辞書なんて、まるで時代が逆行してしまったかのようだ。それがネットの上にはびこっている。

　なんか、怖い時代。