まくとぅーぷ

作ったお菓子のこと、読んだ本のこと、寄り道したカフェのこと。

桜さくら

2016-04-21 23:06:38 | 日記
直営教室で使うための新採択教科書注文が
やっと解禁になった。
ネットでオーダーすれば代引きで届けてくれる
なんて素敵な時代だろう。
ちょっと前はわざわざ有隣堂に予約しに行ったりしたのに。

子供の頃、新学期が始まる時に
一番楽しみだったのは国語の教科書だった。
活字中毒気味だったのでとにかく文字を、文章を
貪り読むのが常だったからだ。
「天まで届け、いち、に、さーん」のくじらぐも。
今も1年生の教科書に健在だと知って嬉しかった。
でも記憶に残る題材のナンバーワンは
草木染めの話。
書き手が取材に行ったのは
桜を使って布を染める職人のところで
てっきり、花を集めて染めるのかと思ったら
木枝を砕いて煮るのだという。
花が咲く直前の、渾身の力で桜色を吹きこぼれさせようとしている木枝からこそ
美しく濃い色が取り出せるのだ、という意味の事が書いてあり
とても衝撃的だった。
まさにここからがクライマックス!というタイミングで
切り刻まれ煮込まれる木がなんだか哀れにも感じられ
人間って身勝手だなあとも思った。

昨日、道明寺を作った時に余った
桜の葉と花を思いつきで小鍋に入れ
水を入れて煮立たせ、桜茶にしてみた。
濃いピンク色に染まったお湯に
ふうわりと漂う真っ白な花びら。
飲むと緩やかに鼻腔を満たしてゆく春の香り。
一年の始まりが春でよかった、と思った日。