まくとぅーぷ

作ったお菓子のこと、読んだ本のこと、寄り道したカフェのこと。

12月のフランス菓子研究所♪ビッシュオプラリネ

2017-12-02 16:27:08 | お菓子作り


クリスマスには薪を作ります。
なぜって言われてもそういうことなので仕方ありません。
これまでに作った薪は
シャンパン、フレーズ、ショコラ、マングー、シトロン、テ(紅茶ね)
そしてとうとう万策つきました。
もうあれに手を出すしかない。
どうしよう。でも他にはないし。でも大変なことになるし。
ええいままよ行ってしまえ〜、と
師匠が思ったのかどうかはわかりませんが
今年は「プラリネ」様参上です。

何が大変って仕込みが大変なのですよ。
だからまあ作る私たちはそんなでもないです。
ただ注意しなければならないのは
迂闊な発言。

何しろ試作が始まった頃から師匠のFBが荒れ
初日のFBには試食の後別件で立ち寄った会員さんが
「美味しかったですか」って聞いただけなのに
「そういう問題じゃないです」って返事したとか
書いてあるのですもの。

それだけ疲弊してしまう準備を要するお菓子なのです。


使う器具の山が険しいことったら。

しかし一番ビビったのはレッスン開始前日に
一斉配信メールで
「長丁場です。軽食用意するといいかも。」という案内が
師匠から入ったこと。
10年やっててそんなこと言われたの初めて。
思わず深夜にちまちまとちっこいおむすびに辛味噌つけて焼いちゃいましたもの。
焼きながら前日のレッスンを終えたMさんにメッセして
申し送りありませんか、って聞いちゃいましたもの。

Mさんのお返事
「目の前のことを一個一個片付けていけば
 やがて到達する」
というようなことで、深夜に一人大きくうなづいたのです。

そんな、遭難覚悟で臨んだ山でしたが
えっと、誤解を避けず言いますと
思ったほど大変ではなかったです。
もちろん試食まで4時間は費やしましたけど
意識遠退くことはなく。

工程はいつもの通り
ビスキュイを焼き、型に合わせてカットし、
ポンシュ打って冷やし、中のババロアズを作り
流したらもっかい冷やし、
外のムース(これはクレムシャンティショコラではなかった)
を作り、塗って仕上げる。

いつもと違うのは、ババロアズの中ほどに
クレームオブールとプラリネを塗ったビスキュイを
埋め込むこと。

この埋め込んだやつの存在感があんまりなくて
師匠は「これ作った時のトオルちゃんちょっとフツーじゃなかったんじゃない?」
と推測。
トオルちゃんのお菓子創作年表、見てみたいなあ。
「あーこの時代はやばいねー」「このへんはちょっとフツーだね」とか。(失礼)


いつものように出来あがったら師匠がチョコプレートをくれます。
好きなのいいよ、というので選んだんだけど
みんなに
「ちっさ」って言われました。


こちらはヒロコさん作。おさすが。美しい。


リッチすぎるケーキなので2センチカットで食べるのが良いそうです。
でもカットもなかなか難しいらしい。
最後まで油断を許さないケーキ。

ジョコンドのココナツの歯触りやパインの香りがトロピカルで
アーモンドプラリネはカリカリ甘くて
キャラメルの香ばしさが素敵なお菓子です。
みんな、美味しい美味しいって食べましたが
師匠が「家で作る?」って聞いたら
うーーーん。。。

イベントでみんなで作るんならいいかもね、ということで落ち着きました。
一台のためにプラリネとか、よう作らん。


「ちっさ」なプレートだけじゃあね、と思って色々乗っけてみました。どうかな。

こういう手間暇かかるお菓子を作るのは
作らなきゃ食べられないものだからってことはもちろん
結局のところ、手間暇かけてお菓子作るのが好きだから。
一切れのケーキの向こうにある、仕入れとか計量とか仕込みとか製作とか組み立てとか片付けとか
そんな膨大な時間や労力を想像できて、ありがたいなと思える人は同志だって師匠は言います。

ま、そんなわけだから
MF会員の家族の皆さんは、今月は特に
ケーキはもちろん召し上がっていただきますけれど
その際作り手の熱い語りをちゃんと聞いてくださいね。
うっさいな、とか思わないでね。

そうそう、例の震え上がった一斉配信ですが
「みんな届いたー?よかった〜。
メール配信システムを新しくしたから
テストしてみたかったの。」

って。
そんだけ?
そんだけなのか?







チャブダイでバースデイ

2017-12-02 00:30:21 | お菓子作り


仲良しが集まる日が決まって
それが自分の誕生日と近かったら
なんとなーく期待しちゃうのが
普通なんじゃないだろうか。

予約してくれた店で
宴が始まった頃に
何やら大きな保冷バッグを
抱えた人がやってきて
「お疲れ様でーす」
なんて大将に挨拶しつつ
バックヤードへ消えたら
あれはもしかして、とか
思っちゃうんじゃないだろうか。

そのあと幹事がおかみにゃんに呼ばれて
バックヤードでこそこそしてたら
もう絶対決まり、なんじゃないだろうか。

それでも
パッと電気が消えて
キャンドル立てたケーキが
目の前にやってきたら
うわあ、って歓喜の声。
それはきっと演技じゃない。
お願い演技じゃないって言って。

最初にオファーがあった時
幹事が可愛いお嬢さんだったので
なんとなく女の子をイメージし
この季節だから真っ白いクリームに
真っ赤な苺かな、
苺はムースにしようかな、
なんて考えたんだけど

「ちなみに主役の名前は○○さん
ギターとサーフィンが好きな男の子」
っていわれて
ビッシュロンに変更。

そのあと大将から
「これです」ってサーフボードの写真が
送られてきて
いや運動音痴な私だってサーフィンくらい
知ってるわ、と思った直後
まさかこの形でケーキ作れってこと?と
不安になる。
細長くて薄くて食べるとこないんですけど。

大将に念のため確認したら
そういうことじゃなくて
ただ送りたかっただけみたいなので
ビッシュロンの材料を仕入れに行く。

ローマジパンで作るココアのビスキュイに
これまたココアたっぷりのポンシュを打ち
セミスイートのチョコレートを
サワークリームで溶かして
混ぜ込んだバタークリームを挟み
上にコポーをわしゃわしゃ乗せる。

バースデイプレートに描く名前も
バタークリームで。
立てかけるのに苺を少し。

いつもは18センチキャドルで
どどーんと作るのだが
15センチ丸セルクルだと
可愛らしい姿に。

見た目も味も喜んでいただけて
よかったよかった。

ただ、

キャンドルを吹き消す時に
盛大にコポーが舞い上がっちゃったので

次回からは「ふーー」が終わってから
コポーを乗せようっと。

楽しい機会をくださった
幹事のHちゃん、チャブダイの大将、おかみにゃん
ありがとうございました。

おまけ。

チャブダイのマカナイ
贅沢が過ぎます。