自宅の近くに、不思議な店がある。
2~3年前に、古屋を改造して作られた、小さなバーだ。
昼には、コーヒーやピザなんかも出していた様だ。
夜は、ドアを開放して、中で不思議なランプがゆれていた。
一見、本当に汚い建物だけれど、ひとたび照明がつくと、雰囲気が一変した。
けれど店には、お客の入っている様子もなく、ひっそりと若い店主が座っていたものだ。
一度覗いてみたいと思いながら、なんとなく恐い感じもして、近づけないまま時が経っていった。
そのうち、だんだん、店がしまっている日の方が多くなった。
最後に開いているのを見たのは、もう数ヶ月も前だろうか。
店の前を通る度に、考える。
あのシャッターの向こう側は、今どうなっているのだろう?
光の入らない暗い店のなかで、ウイスキーの瓶や、バーボンの瓶や、フォークやグラスたちは、整然と並んでいるのだろうか。
時には、車の振動で、残された酒の表面が微かに揺れるのだろうか。
深夜には、ひっそりと、異形のものたちが酒盛りをしていたりして。
妄想は膨らむ。ww
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