
ことの起こりは、このネコの置物からだった。
比叡山の山頂にある、ガーデンミュージアムで、一目惚れして買って来た置物だ。
このミュージアムには、こんな置物が何点か飾られていて、いつも欲しいと思っていたのだ。



連れ帰ったこのネコの置物を玄関において、出かけるときも、帰ってくるときも、いつも声をかけていた。

それが、6月の終わりのことだ。
このネコを飾り始めて、1ヶ月ほどたったある日、玄関に出て驚いた。
置物と同じ黄色い子猫が、座っていたのだ。
一瞬、置物が動き始めたのかと思った!

思わず声を掛けると、小さな声で返事をする。

困った様な、哀しそうな顔をする。

捕まえようとすると、人間不信な顔をする。

心は千々に乱れる。
結局その日は、子猫はご飯を食べると、何処かへ消えてしまった。
どこかの飼い猫でありますように。
二度と此処に顔を出さないで。
捨て猫だったり迷子だったりしませんように。
そう願っていたのだけれど・・・
次の日も、その子猫は現れた。
相変わらず、困った様な顔をして。
あれ?片目を瞑っている。
目が痛いのかな?

どうしよう。
餌を玄関の中に置いて、「入る?」と聞くと、子猫は素直に中に入って来た。
家には、老いて弱ったポン吉がいる。
どうしよう。
ブログランキングに参加しています。 お気に召しましたら1クリックをお願いします。
