寒くなってくると、幼い頃のクリスマスを思いだす。
早い時期から、サンタクロースが存在しないことは知っていた。
イブの夜は、プレゼントが枕元に置かれるのを、寝たふりをしてじっと待っていた。
両親がそっと部屋を出た後に、そのプレゼントに触れてみる。
プレゼントがいくつも積まれている。
カサカサとリボンが音を立てる。
顔を埋めると、包装紙の匂いがする。
胸いっぱいにその香りを吸い込んでは・・・咳き込んだものだ。ww
次の日は、朝早くから祖母と母が七面鳥の下準備をしていた。
にんじんグラッセやマッシュポテトやグレービーソースが魔法のように次々と現れた。
夜になって、長い長い祖母のお祈りの後、食事が始まる。
何とも幸せな時代だった。
・・・私が20歳になって、父が急逝するまではね。
母は、祖母から教わった七面鳥の丸焼きも、タンシチューも、オックステイルシチューも、二度と料理することはなかった。(今となっては、ちゃんと料理法を聞いておくべきだったな、もう、母は料理の仕方を覚えていない。)
それから激動の年月が過ぎ、人生の勉強をして、私も今では少しは世の中が分かるようになった。
振り返ると父の死は、私にさまざまなことを教えてくれた、ものすごく悲しい思い出ではあるけれど。
父に感謝、母に感謝、なーーんて思いながら、今年もクリスマスツリーを飾る。
高崎市の行方不明猫『まめちゃん』です。