お正月にコロナに罹って以来、いつもの通勤路を通っていなかった。
久しぶりに、げんちゃんこと玄米姫こと琵琶の琥珀姫のいるお茶屋さんの前を通る。
すると、何時も掛かっている『猛犬注意』の看板がない。
げんちゃんの座っている座布団も水盤もない。
どうしたんだろう?
そこへ、偶々奥さんが帰ってこられた。
おひさしぶりです、げんちゃん、どうかなさいましたか?
すると、奥さんが家の中へと呼び入れてくださった、げんちゃんに会ってやってほしいと。
恐縮しながら中に入ると、げんちゃんは小さい小さい箱の中にいた、たくさんの美しい花に囲まれて。
1月の末に亡くなったんです。
奥さんのお話を、じっと聞く。
奥さんも私も落涙する。
病名は聞いてもよくわからなかったけれど、結局は歳をとってなる病気だったらしい。
あっという間で、心の準備もちゃんとできていなかったとおっしゃる。
ここで一緒に寝ていたんです、と指を指された畳には、まだげんちゃんがニコニコ笑いながら座っている気がした。
今まで撮った写真をまとめて、また持ってあがります、と約束をしてその場を辞した。
げんちゃん、今までありがとう。
通勤の行き帰りに、期待と嬉しさと楽しさをくれて、ありがとう。
奥さんたちを見守ってあげてね。
高崎市の行方不明猫『まめちゃん』です。