外国映画主要作品日本公開史 * 1960年公開 (その3)
▼参考資料・スクリーン1960年ベストテン
①甘い生活…フェデリコ・フェリーニ
②太陽がいっぱい…ルネ・クレマン
③独裁者…チャールズ・チャップリン
④黒いオルフェ…マルセル・カミュ
⑤ロベレ将軍…ロベルト・ロセリーニ
⑥大人は判ってくれない…フランソワ・トリュフォー
⑦橋…ベンハルト・ヴィッキ
⑧誓いの休暇…グリゴリー・チュフライ
⑨アパートの鍵貸します…ビリー・ワイルダー
⑩ベン・ハー…ウィリアム・ワイラー
⑪人間の運命…セルゲイ・ボンダルチュク
この年から雑誌『映画の友』のベストテン資料が手元にあります。
『映画の友』では読者が選ぶベストテンといった記事を見受けたことがありますが
評論家の選ぶベストテンとしてはこれが最初なのかもしれません。(断定できませんが…)
こちらの選考委員も飯島正先生を筆頭に、1955年にキネ旬から去った植草甚一、大黒東洋士、岡俊雄、
荻昌弘、滋野辰彦、清水俊二、清水千代太、登川直樹、南部圭之助、双葉十三郎、山本恭子、淀川長治など
キネ旬が足元にも及ばない評論家諸氏で構成されており、スクリーンと双璧の権威を持つベストテンでした。
ただ、中に小森和子嬢の名前もありますがこれも余興のひとつかもしれません。
ちなみに、この年の小森和子嬢のベストワン作品は『夜を楽しく』でした(笑)
そういえば、小森和子嬢とは1977年8月25日にテレビ朝日のスタジオでお会いしたことがありました。
独特の口調で気さくにお話ししていただいた思い出があります。
▼参考資料・映画の友1960年ベストテン
①太陽がいっぱい…ルネ・クレマン
②甘い生活…フェデリコ・フェリーニ
③独裁者…チャールズ・チャップリン
④黒いオルフェ…マルセル・カミュ
⑤大人は判ってくれない…フランソワ・トリュフォー
⑥ロベレ将軍…ロベルト・ロセリーニ
⑦人間の運命…セルゲイ・ボンダルチュク
⑧ベン・ハー…ウィリアム・ワイラー
⑨スリ…ロベール・ブレッソン
⑩アパートの鍵貸します…ビリー・ワイルダー
⑪橋…ベンハルト・ヴィッキ
⑫勝手にしやがれ…ジャン・リュク・ゴタール
⑬誓いの休暇…グリゴリー・チュフライ
⑭オーシャンと十一人の仲間…ルイス・マイルストン
⑮渚にて…スタンリー・クレーマー
⑯女はそれを待っている…イングマール・ベルイマン
⑰刑事…ピエトロ・ジェルミ
⑰二重の鍵…クロード・シャブロル
⑰真夏の夜のジャズ…バート・スターン
⑳五つの銅貨…メルヴィル・シェイヴェルソン
▼参考資料・キネマ旬報1960年ベストテン
①独裁者…チャールズ・チャップリン
②甘い生活…フェデリコ・フェリーニ
③太陽がいっぱい…ルネ・クレマン
④ロベレ将軍…ロベルト・ロセリーニ
⑤大人は判ってくれない…フランソワ・トリュフォー
⑥黒いオルフェ…マルセル・カミュ
⑦人間の運命…セルゲイ・ボンダルチュク
⑧勝手にしやがれ…ジャン・リュク・ゴタール
⑨スリ…ロベール・ブレッソン
⑩誓いの休暇…グリゴリー・チュフライ
⑪若者のすべて…ルキノ・ヴィスコンティ
⑫ベン・ハー…ウィリアム・ワイラー
⑬橋…ベンハルト・ヴィッキ
⑭渚にて…スタンリー・クレーマー
⑮真夏の夜のジャズ…バート・スターン
⑯刑事…ピエトロ・ジェルミ
⑰アパートの鍵貸します…ビリー・ワイルダー
⑱女はそれを待っている…イングマール・ベルイマン
⑲二重の鍵…クロード・シャブロル
⑳オーシャンと十一人の仲間…ルイス・マイルストン
この年は何と言っても『甘い生活』でしょう。『青春群像』『道』『崖』『カビリアの夜』でイタリアン・リアリズム後のイタリア映画
作法の新時代を築いたフェリーニが、目的を失った上流社会人・マスコミの愚劣さ・形式ばかりの宗教・激しい貧富の差など、
経済高度成長の一方で退廃化してしまった現在イタリア社会の病根を鋭い視線で描いた衝撃的な一大傑作でした。
いよいよヌーヴェルヴァーグの本流の登場です。トリュフォー(大人は判ってくれない、あこがれ)とゴダール(勝手にしやがれ)、
そしてヌーヴェルヴァーグの影響を受けたマルセル・カミュ(黒いオルフェ)が登場してフランス映画の資質が一変しました。
さらにソ連映画『人間の運命』『誓いの休暇』が公開されて映画界としての東西冷戦の雪解けが始まりました。
他にも『刑事』『激しい季節』など見ごたえのある作品が公開されました。
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↑はフェデリコ・フェリーニ監督の『甘い生活』