外国映画主要作品日本公開史 * 1964年公開 (その3)
▼参考資料・スクリーン1964年ベストテン
①突然炎のごとく…フランソワ・トリュフォー
②去年マリエンバードで…アラン・レネ
③かくも長き不在…アンリ・コルピ
④アメリカアメリカ…エリア・カザン
⑤軽蔑…ジャン・リュク・ゴダール
⑥パサジェルカ…アンジェイ・ムンク
⑦沈黙…イングマール・ベルイマン
⑧シェルブールの雨傘…ジャック・ドミ
⑨ビリディアナ…ルイス・ブニュエル
⑩トム・ジョーンズの華麗な冒険…トニー・リチャードソン
⑪昨日・今日・明日…ヴィットリオ・デ・シーカ
⑫山猫…ルキノ・ヴィスコンティ
⑫鏡の中にある如く…イングマール・ベルイマン
⑭審判…オーソン・ウェルズ
⑭ハムレット…グリゴリー・コジンツェフ
⑯家族日誌…ヴァレリオ・ズルリーニ
⑯マイフェアレディ…ジョーシ・キューカー
⑱長距離ランナーの孤独…トニー・リチャードソン
⑱ベケット…ピーター・グレンヴィル
⑳マーニー…アルフレッド・ヒッチコック
▼参考資料・映画の友1964年ベストテン
①突然炎のごとく…フランソワ・トリュフォー
②去年マリエンバードで…アラン・レネ
③かくも長き不在…アンリ・コルピ
④アメリカアメリカ…エリア・カザン
⑤軽蔑…ジャン・リュク・ゴダール
⑥トム・ジョーンズの華麗な冒険…トニー・リチャードソン
⑦パサジェルカ…アンジェイ・ムンク
⑧シェルブールの雨傘…ジャック・ドミ
⑧鏡の中にある如く…イングマール・ベルイマン
⑩長距離ランナーの孤独…トニー・リチャードソン
⑪山猫…ルキノ・ヴィスコンティ
⑪家族日誌…ヴァレリオ・ズルリーニ
⑬沈黙…イングマール・ベルイマン
⑭昨日・今日・明日…ヴィットリオ・デ・シーカ
⑮マイフェアレディ…ジョーシ・キューカー
⑯ハムレット…グリゴリー・コジンツェフ
⑰ビリディアナ…ルイス・ブニュエル
⑱ベケット…ピーター・グレンヴィル
⑲審判…オーソン・ウェルズ
⑳大列車作戦…ジョン・フランケンハイマー
▼参考資料・キネマ旬報1964年ベストテン
①かくも長き不在…アンリ・コルピ
②突然炎のごとく…フランソワ・トリュフォー
③去年マリエンバードで…アラン・レネ
④パサジェルカ…アンジェイ・ムンク
⑤アメリカアメリカ…エリア・カザン
⑥家族日誌…ヴァレリオ・ズルリーニ
⑦軽蔑…ジャン・リュク・ゴダール
⑧トム・ジョーンズの華麗な冒険…トニー・リチャードソン
⑨沈黙…イングマール・ベルイマン
⑩ハムレット…グリゴリー・コジンツェフ
⑪山猫…ルキノ・ヴィスコンティ
⑫シェルブールの雨傘…ジャック・ドミ
⑬五月の七日間…ジョン・フランケンハイマー
⑭博士の異常な愛情…スタンリー・カブリック
⑮マイフェアレディ…ジョーシ・キューカー
⑯鏡の中にある如く…イングマール・ベルイマン
⑰審判…オーソン・ウェルズ
⑱ビリディアナ…ルイス・ブニュエル
⑲野のユリ…ラルフ・ネルソン
⑳ベケット…ピーター・グレンヴィル
いよいよヌーヴェルヴァーグ全盛期に入りました。
カイエデ派のトリュフォーは自身の最高傑作『突然炎のごとく』、ゴダールは『軽蔑』でお互いにしのぎを削ります。
一方、左岸派ではアンリ・コルピが『かくも長き不在』で監督デビューを果たし、アラン・レネは『去年マリエンバードで』で
映像の極限を示し、ジャック・ドミはオペラ形式の実験映画『シェルブールの雨傘』で切なくて残酷な愛の姿を浮き彫りに
させました。
またベルイマンの神の沈黙三部作のうち『鏡の中にある如く』『沈黙』が公開されました。(註・『冬の光』は1975年公開)
神の沈黙三部作では、神の恩籠を受けるには狂気を必要とするというベルイマンの究極的な思想を展開しています。
注目すべきはルイス・ブニュエルの『ビリディアナ』で、彼の根底に流れる階級社会への痛烈な批判は、善意や宗教に
よる押し付けられた罪の意識がいかに虚しいかをシュルリアリズムタッチで残酷に描きあげていました。
この年、エリア・カザンの『アメリカアメリカ』が公開されて意外にも高評価を受けています。この映画は自由を求めて
アメリカへ移住するという自叙伝的な作品だそうです。カザンの口から「自由なアメリカ」とは。カザンがハリウッドで
自己防衛のための裏切り行為でどれほどの優秀な映画人が追放されたと自覚しているのでしょう。自分の自由を守る
ために他人の自由を踏みにじったことをどう思っているのでしょう。そんなカザンに自由を説く資格があるのでしょうか。
私はこの不快な作品を頑なに観ることさえも拒みました。そして、この映画が公開された時にはすでにカザンの犯した
行為は公然になっていましたが、この期に及んで『アメリカアメリカ』に高評価を付した映画評論家に対して映画評論家
としての資質を疑ってしまいます。
↑はフランソワ・トリュフォー監督の『突然炎のごとく』