『アンナ』 シルヴァーナ・マンガーノ
”Anna” Silvana Mangano 【YOUTUBEより】
1951年制作、イタリアン・リアリズムの先駆者の一人、アルベルト・ラトアーダ監督による同名のイタリア映画の
主題歌です。
アルベルト・ラトアーダは1949年の『ポー河の水車小屋』で農民と地主との紛争を背景に若者の悲劇を描いた
イタリアン・リアリズム初期の佳作を発表してその名を知られるようになりました。翌年にフェリーニとの共同監督で
『寄席の脚光』を手がけましたが、この『アンナ』では単調なメロドラマに終わりその後輝くことはありませんでした。
この映画は1948年の『にがい米』で準主役ながらもその容姿で一躍脚光を浴びたシルヴァーナ・マンガーノを
さらに売り出すために主演に仕立て上げたのですが、作品としては好評を得ることができませんでした。
主題歌は、ロマン・ヴァトロの作曲、フランシチェスコ・ジョルダーノの作詞で、ブラジル音楽「バイヨン」の
リズムを取り入れており、映画ではフロ・サンドンスが吹き替えで唄っていました。
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また、シルヴァーナ・マンガーノといえば『にがい米』のダンスシーンが極めつけですね。【YOUTUBEより】
(以下、個人的な備忘書き)
1950年前後のイタリア映画はロベルト・ロセリーニやヴィットリオ・デ・シーカを代表格とするイタリアン・リアリズム
の台頭よって優れた作品が数多く制作されてました。
『平和に生きる』 (1947年、ルイジ・ザンパ監督)
『荒野の抱擁』 (1947年、ジュゼッペ・デ・サンテス監督)
『揺れる大地』 (1948年、ルキノ・ヴィスコンティ監督)
『ポー河の水車小屋』 (1949年、アルベルト・ラトアーダ監督)
『にがい米』 (1949年、ジュゼッペ・デ・サンテス監督)
『白い国境線』 (1950年、ルイジ・ザンパ監督)
『越境者』 (1950年、ピエトロ・ジェルミ監督)
『2ペンスの希望』 (1952年、レナート・カステラーニ監督)
このあと、イタリアン・リアリズムはやがてネオ・ロマンティシズムあるいは知的リアリズムとしてフェデリコ・フェリーニ、
ミケランジェロ・アントニオーニ、ルキノ・ヴィスコンティ、ピエトロ・ジェルミ、ヴァレリオ・ズルリーニたちの世界へと
引き継がれていきます。