先日の竜王戦第4組ランキング戦の中田浩樹八段対藤井聡太七段戦での藤井七段の
62銀のただ捨てが大妙手だと話題になっています。私もNET中継でずっと見ていたのですが、
解説者がこの銀を取るのは怖いので24金と打ちたいと言っていました。
比較的発見しやすい24金で詰めろが続くなら62銀の意味はあまりないわけです。
ところが中田八段は62銀を取ってしまったので詰まされてしまいました。
この流れだと62銀はそれほどの妙手だとは思えなかったのですが、その後さらに情報を
集めると、24金は45銀で負けになるようです。従って中田八段は24金に気づいたけど
それだと負けになるし、他に勝ち手順が見つけられなかったので仕方なしに62銀を取った
わけです。ここでの唯一の正解はかなり見つけにくい34桂だそうです。34桂に対しては
35角と攻防に打つのが有力で1分将棋では正解を続けるのは困難だったでしょう。
というわけで62銀は当初思っていたよりずっと複雑な変化を含んでいた勝負手で、1分将棋
で変化を読み切っていた藤井七段は見事だったと言えるでしょう。
なお62銀、同龍以下の17手の詰手順は68龍から入る駒が一枚も余らず余詰もないという
実戦型詰将棋としては見事なものです。
さてこの銀捨ての妙手というの歴史上いくつかあって有名なものではNHK杯で羽生五段(当時)が
加藤九段に指した52銀があげられます。これはTVで生で観戦していて解説の米長九段の
「おぉ、いったー」との叫びを良く覚えています。
NHKの影響は大きいので銀捨ての妙手だと将棋ファンの間では一番に候補に上がりそうです。
内容の見事さでは中原-米長の名人戦で中原の指された57銀が白眉でしょう。通称中原の
5七銀として歴代妙手ランキングがあればチャンピオン候補でしょう。
これは名人戦という舞台で指された寄せを遅らせる手筋ですが、舞台、難解さ、意外性と
揃った大妙手ですね。私はこの手はもちろん生で見ることはなかったのですが、雑誌の解説
記事で知った時は将棋の奥深さに感動したものです。
藤井七段の今年度の妙手は77龍というのもありました。今後歴史に残ると妙手ということ
ではもっと大きな舞台で見たいものだと思います。なかなか相手もあることなので難しい
ことですが、そう遠くない将来に実現しそうな気もしています。
62銀のただ捨てが大妙手だと話題になっています。私もNET中継でずっと見ていたのですが、
解説者がこの銀を取るのは怖いので24金と打ちたいと言っていました。
比較的発見しやすい24金で詰めろが続くなら62銀の意味はあまりないわけです。
ところが中田八段は62銀を取ってしまったので詰まされてしまいました。
この流れだと62銀はそれほどの妙手だとは思えなかったのですが、その後さらに情報を
集めると、24金は45銀で負けになるようです。従って中田八段は24金に気づいたけど
それだと負けになるし、他に勝ち手順が見つけられなかったので仕方なしに62銀を取った
わけです。ここでの唯一の正解はかなり見つけにくい34桂だそうです。34桂に対しては
35角と攻防に打つのが有力で1分将棋では正解を続けるのは困難だったでしょう。
というわけで62銀は当初思っていたよりずっと複雑な変化を含んでいた勝負手で、1分将棋
で変化を読み切っていた藤井七段は見事だったと言えるでしょう。
なお62銀、同龍以下の17手の詰手順は68龍から入る駒が一枚も余らず余詰もないという
実戦型詰将棋としては見事なものです。
さてこの銀捨ての妙手というの歴史上いくつかあって有名なものではNHK杯で羽生五段(当時)が
加藤九段に指した52銀があげられます。これはTVで生で観戦していて解説の米長九段の
「おぉ、いったー」との叫びを良く覚えています。
NHKの影響は大きいので銀捨ての妙手だと将棋ファンの間では一番に候補に上がりそうです。
内容の見事さでは中原-米長の名人戦で中原の指された57銀が白眉でしょう。通称中原の
5七銀として歴代妙手ランキングがあればチャンピオン候補でしょう。
これは名人戦という舞台で指された寄せを遅らせる手筋ですが、舞台、難解さ、意外性と
揃った大妙手ですね。私はこの手はもちろん生で見ることはなかったのですが、雑誌の解説
記事で知った時は将棋の奥深さに感動したものです。
藤井七段の今年度の妙手は77龍というのもありました。今後歴史に残ると妙手ということ
ではもっと大きな舞台で見たいものだと思います。なかなか相手もあることなので難しい
ことですが、そう遠くない将来に実現しそうな気もしています。