阿部サダ事件

　1週間ぶりに常連のTさんが来た。妻が病気で店を休んでいるのを気にかけて一言…

　客T「奥さま、元気になられましたか？」
　私 「いや、まだ調子が悪いわ」
　客T「マスターが浮気するからママが病気になってんやろ」
　私 「怒るで、浮気なんかするかいな」
　客T「気をつけんな、チンチンちょん切られるで」
　私 「東京の男性器切断殺人事件かいな。あの犯人は絶対に彼女やで」
　客T「阿部サダみたいやなあ」
　私 「ナベサダ？セックスの名手の…」
　客T「ナベサダはサックスの名手や。俺の言うてんのは阿部サダや」
　私 「ああ、阿部さんかいな」
　客T「エライ馴れ馴れしいな。知り合いかいな」
　私 「知ってる訳ないやろ、戦前の人やで」
　客T「しやけど、男性器をちょん切るて、恐ろしい女やなあ」
　私 「アソコちょん切ったら性別が分かん様になって捜査が進まへんと思てるんかなあ」
　客T「それは無いやろ。犯人はよっぽど嫉妬深い女やで」
　私 「彼女が嫉妬深い女やったら、疲れてダウンしてしまうわ」
　客T「えらい大げさやなあ」
　私 「英語でシット(嫉妬)・ダウンて言うやん」

　一句：阿部サダは　シット高じて　カットした
　謎かけ：阿部サダ事件とかけて、第一次二次世界大戦と解く。どちらも(性器・世紀)の大事件である