気合

　今日はプール1時間、ジム1時間頑張った後、スタジオで2つプログラムを受けたが、3時間ほどしか寝ていなかったのでさすがに疲れた。
　ロッカールームに入るや否や「あ～しんど」と溜息を漏らすと、私と同年輩の会員が「えらい気合が入ってるなあ」と声を掛けてきた。
　
　私　「そうや、(会費の)元とろ思てんねん」
　会員「無理して身体壊したら元も子もないで」
　私　「ホンマやなあ。お金払(ハロ)て、何でしんどい目をするんやろて時々思うわ」
　会員「いつも、お金貰(モロ)て、楽して仕事してるから、その反動と違うか」
　私　「そんな…。俺は仕事中はしっかりと…」
　会員「あそうか、しっかりと働いてるてか？」
　私　「しっかりと…立って寝てるで」

　一句：やる気合　遊びで入れて　仕事で抜き

独壇場

　当店のカラオケ番付で横綱の常連になって久しいが一度も東の正横綱(番付トップ)になっていないKさんが頑張って次々と高得点を出した。周りの人は唖然としてただ見ているだけだった。

　客M「Kさんの独壇場やなあ」
　私　「独壇場正宗！」
　客K「それ、独眼流正宗や」
　客M「Kさん、えらい頑張ってるなあ」
　私　「Kさんはいっぺん、正横綱になりたいねん」
　客M「正横綱のTさん、強いからどうやろなあ？」
　私　「なれる！Kさんはエッチやから、性欲づなに…」
　客M「僕、年下やからどないリアクションしてええか戸惑うわ」
　私　「Kさんは好きモンやから、下ネタをして欲しがるねん」
　客K「なんでやねん、勝手な事を言うて、もう！」
　私　「みんなに受けてるからエエやん」
　客K「誰も受けてないやん！マスターが一人で言うて一人で受けてるだけやん」
　私　「俺の独壇場やったな」

　一句：相手無視　独りよがりの　独壇場

酒井法子

お客さんがスポーツ新聞の切り抜きを持ってきた。それには大きな見出しで『酒井法子 ４Ｐ シャブ乱交』と書いてあった。

　客A「のりピーが4Pやて、清純や思てたのに信じられへんな」
　私 「4P？のりピー、やらピー(イヤらしい)」
　客B「それも男3人相手の逆ハレムて書いてるで」
　私 「参加したかったなあ。俺、ハゲムで」
　客A「かなり前から覚せい剤をしてたし、嘘をついたりして、タチ(質)悪いなあ」
　私 「俺、アッチの方のタチ(勃)悪いわ」
　客B「シャブ抜き逃亡、髪を染めたり切ったり、携帯を捨てたり、証拠隠滅ばっかり…」
　客A「のりピーと違(チゴ)て、悪ピーやなあ」
　私 「ここまできたら悪ノリしすぎ、悪のりピーやで」
　客B「今、世間では、らりピーて呼ばれてるわ」
　私 「旦那も常習者やから時々ラリってたらしいで。ヤクは旦那が教えたらしいな」
　客A「あ～、あの亭主はボンボンで大人になりきってない。ガキピーやな」
　私 「柿ピーはビールのアテになるけど、あの亭主はアテにならんなあ」
　客A「それに亭主は取り調べで、のりピーの不利になることを次々に供述してるで」
　客B 「あの夫婦はアブリをやってたけど、警察は色々とアブリ出してきたなあ」
　私 　「のりピー、起訴されたら事務所は解雇やて。アブリで(仕事に)アブレやな」

　一句：アブリして　仕事にアブレて　かなピーわ(かなしいわ)
※“碧いうさぎ”の替え歌“白いクスリ(取り調べVer.1.02)”

衆議院選挙

　いよいよ衆議院選挙が2日後に迫ってきた。お客さんも話題にしてきた。

　客A「自民党は『責任力』を掲げて一貫性のある政策を実行すると訴えてるわ」
　私　「それやったら、この最悪の不景気を招いた『責任』を取ってほしいなあ」
　客A「いっぺん民主党に政権をやらせてみたらエエねん」
　客B「民主党の公約は財源無視のばら撒き公約、スーパーの安売り広告見たいやで」
　私　「そら、岡田克也さんはイオンの息子やろ。安売りチラシを考えるのはお手の物や」
　客C「みんなマニュフェスト通りに実行してくれてたら、我々の生活は苦しめへんのにな」
　私　「小泉さん、自民党をぶっ壊すといって、日本をぶっ壊したなあ」
　客A「渡辺喜美さんが自民党を離党して新党を作ったね」
　私　「世間にしんとう(浸透)するまで時間がかかるなあ」
　客B「世間に受けへんかったらシーンとぅ(新党)なるわ」
　私　「Bさんのシャレが受けへんわ。ああ、しんとう…」
　客A「しんどう、やろ！」
　客B「今回は自民党の世襲と高齢者対民主党の新人と女性の対決が目立つなあ」
　私　「世襲や高齢者も問題やけど新人と女性も問題やで」
　客B「そうそう、政治の勉強してない人が知名度だけでいきなり選挙に出てくるてなあ」
　私　「選挙と言うより人気投票や」
　客C「そんな人が当選しても、この日本を担っていけるのかが問題やで」
　私　「色んな検定あるけど、政治家検定が要るで。それで当選した人が立候補OKにする」
　客A「ほんまやなアあ、この状態ではどの党の誰を選んでエエか分からんわ」
　私　「立候補者数が1374人やろ。選挙やってもイミナイヨ(1374)やで」

　一句：選挙前　選挙話が　占拠する

マタニティ

　ポッチャリ系の60歳女性客がムームーみたいなブカッとしたワンピースの服を着て来た。

　私　　「マタニティ・ドレスみたいやな、妊娠でもしたんか?」
　女性客「私、もう60やで、(赤ちゃん)出きる訳ないやん」
　ママ　「女性は40後半から50歳くらいで(生理が)アガるねん」
　私　　「俺、50でアガったわ」
　ママ　「アンタ、男やろ」
　私　　「いや、アッチの方がアカンようになったってことやがな」
　男性客「前から、(マスターは)女かなと思てたわ」
　女性客「女性がアガったら男みたいになるて言うもんなあ。男もそうなるんかなあ」
　私　　「そうや、どうせ俺とこは俺が女役でママが男役や」
　男性客「ママがムチを持って、働け～、働け～言うてんねんやろ」
　私　　「そうや、元祖・にしおかすみこや」
　ママ　「マタニティ・ドレスから何でにしおかすみこになったん？」
　私　　「マタニティの話は、またにしてぃ」

　一句：ムームーで　話が膨らみ　マタニティ

寒い店

　店は暇、今日はダメかなと気落ちしている時に、お客さんが「誰もいてへんやん」と言いながら入ってきた。そして…

　お客T「寒いなあ」
　私　「クーラー効き過ぎか？」
　お客T「店が閑散としてるから寒いて言うてんや」
　私　「T君が来る思て、冷やしてたんやで」
　お客T「ミエはったらアカン。大体、俺が来るて分かる筈がないやん」
　私　「今日、給料日やろ。T君はお金ある時しか来(ケ)ーへんやん」
　お客T「そこまで読むか。恐ろしい商魂やな」
　私　「いや、色々考えててそう思たんや。暇で何もする事ないから…」
　お客T「やっぱり、寒いなあ」
　私　「ほんだら暖房かけるわ」
　お客T「ちょっと待ってえや、今、夏やで」

　一句：エコ貢献　クーラー要らずの　寒い店

試験の欠点

　学校の試験の話が出て、欠点(赤点)の話になった。

　私　「欠点は何点から？」
　客A「40点から下や。俺、数学苦手やったから何回も欠点とったわ」
　客B「私が英語の欠点とった時、変わってたで」
　私　「どない変わってたん？」
　客B「ギター好きの先生が『自作曲を聞け』言うて弾き語りを聞かされた。それでOKやった」
　客A「なんや追試無しかいな」
　客B「私も、ついしらんかった」
　私　「どうせ追試しても時間のムダやと思たんと違うか」
　客B「そうやわきっと。0点やったもん」

　一句：０点を　明るく言える　脳天気

ベルリン世界陸上

　今日は『世界陸上』を見た。女子マラソンで尾崎好美が中国の白雪に敗れて惜しくも金メダルを逃したが、二人のデッドヒート、ラストスパートは今大会で一番力が入った。
　
　妻「尾崎、銀メダル獲ったね。最後までよう頑張ったやん」
　私「最後は相手に譲ったて感じやなあ」
　妻「何でやの？」
　私「尾崎だけに、おざきにどうぞ」
　妻「なんや、それ。それはそうと、やり投げの村上も銅メダル獲ったね」
　私「並み居る強豪の前で、投げやりにならんと、やり投げたんが良かった」
　妻「またダジャレかいな。それにしてもウサイン・ボルトは凄いね。三冠獲ったやん」
　私「俺、三冠、獲ると思てたわ」
　妻「何でやの？」
　私「名前がウサインやろ。ウサイン・コサイン・タンジェント。三角関係で三冠や」
　妻「それ、三角関係と違(チゴ)て三角関数やんか、アンタ」
　私「ボルトは金メダルを獲る度に、手綱を締めんとボルトを締めてたなあ。それが良かった」
　妻「可哀想なんは女子棒高跳びのイシンバエワや。応援してただけにショックやわ」
　私「金メダルどころか無冠(メダルなし)や。女王のイシンナエルワ(威信萎えるわ)や」
　妻「もうエエっちゅうねん！」

　一句：アスリー　全力プレーでト　泣き笑い

ヘアカット

　若い女性客がずっとロングだったヘアをにショートにしてきた。

　ママ「A子ちゃん、短く切ったんやね」
　A子「暑いから、思い切ってショートにしてん」
　ママ「似合うからエエわ」
　A子「うん、夏やし気持ちエエわ」
　私　「短くしたら気持ちエエか？ほんだら俺もカットしよかな」
　ママ「あんた、カットするとこ無いやん」
　A子「そうやん、マスターはカットせんでも、もともと超短髪やん」
　私　「二人で責めなや、大人しい俺もカッとなって怒るで～」

　一句：超短ヘア　カットすべきかと　カットゥ(葛藤)す

トレンディ・ドラマ

　今日のお客さん、「今日は歌いまくって点数を稼ぐぞ！」と、意気込んでいたのに曲がなかなか決まらない。

　お客「あれ、何やったかな?」
　私　「あれて、何や」
　お客「ドラマの主題歌…」
　私　「オイラはドラマ～」
　お客「そのドラマと違う。それ、石原裕次郎の“風速40米”のドラマーやん」
　私　「一体、どんなドラマやねん？」
　お客「トレンデー・ドラマや」
　私　「トレンデーでは点がとれんでー。けど流行の先端なのは見てとれるでー」

　一句：流行は　トレンディ・ドラマが　発信する