新型コロナ、サハラ以南で初の死者 WHO「最悪の事態に備えよ」
世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は18日、ブルキナファソ議会の副議長が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で死亡し、サハラ以南のアフリカで初の死者が出たことを受けて、アフリカ大陸に「最悪の事態に備える」よう呼び掛けた。
テドロス氏はスイスのジュネーブでの記者会見で、「アフリカは目覚めなければならない」とした上で、新型コロナウイルスについては、ある転換点を超えると感染拡大のスピードが加速することが他の国々で確認されていると指摘した。
アフリカは、新型ウイルスの感染者と死者の増加ペースで他の地域を大きく下回っているものの、感染者数はこの数日間で急増している。
専門家らは、脆弱(ぜいじゃく)な医療インフラや紛争、衛生不良、都市部への人口集中を考慮すれば、アフリカ大陸は新型ウイルス流行の危険にさらされていると繰り返し警告してきた。
貧困国ブルキナファソの保健当局は18日、国内の感染者が7人増えて27人になったと発表した。うち1人は糖尿病の62歳女性で、前夜に死亡したという。
ブルキナファソの最大野党・進歩変革連合(UPC)は死亡した女性について、同国議会のローズマリー・コンパオレ(Rose-Marie Compaore)第1副議長だったと明らかにした。
AFPの集計によると、アフリカの新型コロナ感染者は18日時点で600人超。死者は、エジプト6人、アルジェリア6人、モロッコ2人、スーダン1人、ブルキナファソ1人となっている。
世界の感染者約21万人、死者8800人超と比べると少ない。
テドロス氏は、サハラ以南のアフリカでこれまでに233人の感染が確認されているが、この数字は必ずしも全容を明らかにするものではないと警告。「おそらく見逃されている感染者や、報告されていない感染者がいるだろう」と指摘した。