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伯楽、メンター

 今朝の毎日新聞朝刊に、気骨ある「ひと」が載っていました。

 新聞では、もっともっとこういう記事を読みたいものです。  

           
               
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ひと:大沢文夫さん

=「良き指導者」賞を受けた生物物理学者

 ◇大沢文夫(おおさわ・ふみお)さん(87)


 才能を見いだし育てる達人を、中国の故事では伯楽、西洋ではメンターと呼ぶ。英科学誌「ネイチャー」が創設した「メンター賞」をこのほど受賞した。「みんなが支えてくれたおかげ」とはにかむ。

 理屈っぽい少年だった。東京帝大で物理学を学んだが、“正統派ぶり”が肌に合わず、寺田寅彦の弟子、宮部直巳に師事して名古屋大へ。統計力学から生物学へと足場は変わったが「オリジナルな考え方で面白いと思える研究を続ける」という信念を貫いた。

 分野や国籍を問わず研究者を受け入れ、弟子は数百人。自由な議論の中から、生物物理学など生命科学を牽引(けんいん)する新分野が育った。女性研究者が圧倒的少数だった60年代初め、研究室メンバーの3割は女性。のびやかで出入り自由な雰囲気から、「大沢牧場」と呼ばれた。

 「生体を作る分子は柔らかな機械である」とし、あいまいさの多い生体現象を説明する「ルースカップリング」という概念を提唱した。その思想は飄々(ひょうひょう)とした生き方にも通じる。「研究は以心伝心。真剣な議論は1年間に3分でいい。独創性がなくなるし、照れるでしょ。師弟関係もルース(緩やか)で」と笑う。

 人を育てるには「アイデアを大事にし、邪魔しないこと。仕事の速さで評価しない。面白さに対する感度があれば口を出さず本人に任せる」。探究心は衰えない。来年は新しいテーマで本を1冊書くという。<文・元村有希子/写真・内林克行>

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 ■人物略歴

 大阪府生まれ。愛知工大客員教授。名古屋大、大阪大教授を経て、両大名誉教授。95年から日本学士院会員。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
年の終わりに (もも)
2009-12-31 15:14:36
素敵なお話を読ませていただきました。
おかげさまで気持ちよく一年が締めくくれます
来年はこういう記事で紙面がいっぱいになるとよいな。

今年は本当にお世話になりました。
クリエイトに巡りついたことに感謝しております。
来年もこつこつ頑張ります。どうぞよろしくお願いいたします。
 
 
 
Unknown (小川)
2009-12-31 17:30:16
松田さん、こんばんは。

確かに、いい記事ですね。
ご本人の魅力もさることながら、その紹介の仕方がとても。

それでは、良い年をお迎えください。
今年もお世話になりました。
 
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