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クリエイト速読スクールブログ
なおしのお薦め本(65)『男性不信』
『男性不信』
池松 江美著
辛酸なめ子のペンネームで有名な著者。これは小説です。名前の設定など、事実とは少々異なります。しかしそれで、かえって事実をそのまま書けたのではないか、とも思われます。
ひとことで言うと、男を糾弾する本です。読んでみたいと思われる方のために、一部を引用させていただきます。
「……私の『虫酸ラン子』というペンネームには、秘められた意図があるのです。実はこの名前は、私にとって貞操帯のような役割を果たしています。例えば、毎週、毎月、ゴシップ雑誌をにぎわすアイドル、女子アナ、女優たちのパパラッチ写真。(中略)そういういやらしいスクープを見て男たちはムラムラするのだと思いますが、そのムラムラをブロックする殺精子剤のような役割を果たしているのが、萎え萎えペンネームなのです。(中略)可愛い名前はいともたやすく淫獣の欲望のはけ口になってしまいます。でも『虫酸ラン子』というペンネームを見て、いやらしい気持ちになる男はまずいないでしょう」
「ペンネーム以外にも、男にいやらしい気持ちを抱かせないよう、スキを見せないよう、私は常に細心の注意を払っています。私の心のドグマの一部をご紹介しましょう。
一、男と視線を三秒以上合わせないようにする。
一、寝顔はぜったい見せない。電車の中で眠い時は額に手を当てて顔を隠す。
一、男の視線を感じたら、体をポリポリ掻いたり、顔をしかめたり、萎えさせる動作をする。
一、セクハラされる前に、怒濤の下ネタで相手を引かせる。
一、有名人の男に対しては警戒を200パーセントに強める。
『視線を三秒以上合わせないようにする』というのは、以前、魔性の女を自認する知人が『男は三秒だまって目を見つめれば落ちる』と豪語していたのを聞いて、私はその言葉を反面教師に、妙なアクシデントが起こらぬよう気を付けています。疲労や寝不足などでやむをえず目を閉じる事態になっても、まぶたを貫通する殺気を放ち、邪な気持ちを寄せつけません。そして、『体をポリポリ掻く』という必殺護身術は、見知らぬ男性がブログで『人前で体をポリポリ掻く女は終わっている』と書いていたのにヒントを得ました。掻く部位も『尻』が萎え度ベストワンのようです。そして『下ネタ』を、女の方から恥も外聞もなく発言することで、男の性欲をブロック」
プププッと笑いながら読んでいたのですが、そのあとで背筋に冷たいものが走りました。前代未聞の文学であることは確かです。 なおし
■参考記事
※もりぞう爺さんの話(上)
オマケ
―なおしのメール―
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強烈に覚えていますが、なぜここだけ読んだのでしょう。
解せません。