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クリエイト速読スクールブログ
なおしのお薦め本(85)『政治家にダマされないための経済学 』
土屋 彰久著
政治学者が書いた、これ以上わかりやすくしようのない経済学の本。
あとがきにこうあります。
「経済学と聞くと、なにやら難しそうに聞こえたりしますし、時には意味不明の数式が出てきたりすることもありますが、根本にあるのは、『どっちが得かよく考えてみよう』という、実に単純な話です。」
「経済学がやたらと複雑化する理由は、その“裏の顔”にあります。“裏の顔” も『どっちが得かよく考えてみよう』という、“表の顔”と同じセリフを発しているので、パッと見、裏に顔があるとは気づきません。実を言うと、“表の顔”は、『社会全体にとって』という暗黙の前提に立っているのに対して、“裏の顔”は、『自分にとって』という前提で言っているんです。そうなると、同じ経済学でも、裏と表では別々の目的を追求することになります。しかし、“裏の顔”で考えたように、正直に『これは俺の得になるから』と言っても、誰も説得できません。そこで『本当は俺の得になる話』を、いかにも『社会全体の得になる話』や、場合によっては『お前の得になる話』のように見せかけて、回りの人間や相手を説得しなければなりません。つまり、無理が通れば道理引っ込むのとおり、根本的な(=目的における)矛盾を覆い隠すために、理論が不必要に複雑化するわけです。」
まえがきにこうあります。
「すでに十分に努力しているはずの、この国の普通の人々にとって、さらに必要な努力があるとすれば、それは、政府や財界に指図されるままにがむしゃらに働くことではなく、ここで一度立ち止まって、自分の努力の中身についてじっくりと考え直してみることだろうと、私は思っています。底に穴の空いたバケツで必死に水を汲み続けるより、一時は休んでも、穴を直してから水汲みに戻る方が、結局は効率的です。ここで『バケツの穴を直す』というのは、努力がきちんと報われることを阻んでいる構造的な問題に目を向け、そのメカニズムを理解した上で改善を進めていくことです。」
「この本では、この構造的な問題が立体的に理解できるように、日本の経済を巡る色々なトピックについて、図解を交えつつ、様々な角度から解説を加えてみました。」
政治経済オンチの者にとって、とてもありがたい本になっています。

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誰か「わかりやすく」説明してくれればいいのにな~と思っていましたが、これは期待できそうですね!
「ダマされないための」という観点もありがたいですね。
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