なおしのお薦め本（9）「ゆる呼吸法」革命

　　小川なおしさんから、お薦め本が届いています。

　『「ゆる呼吸法」革命』

　　　　　　　　　　　　　　　高岡 英夫著

　「あなたは、暴飲暴食で胃や肝臓の細胞くんたちに負担をかけていませんか。スパスパ煙草を吸って肺の細胞くんをこっぴどくいじめていませんか？　アメーバのように逃げられるものなら、きっと、細胞くんは逃げ出しているはずです。そういった日常を思い浮かべてください」

　いきなり「細胞くん」と呼んでいることに違和感を感ずるのですが、読み進めていくうちに「そういや、ずいぶん細胞くんたちを冷遇していたものだ」と気がついて、「やっぱり『細胞』なんて呼び捨てにしていちゃバチが当たるかも」という気分に変わっていきます。

　「私たち現代人は、自分という主体と細胞が分裂状態にある」と説く著者は、「私は主体細胞一致の状態を取り戻し、細胞くんと交流をする、とても簡単な方法を見つけだしました」と宣言しています。凄いことではありませんか。

 

　そして紹介されるのが三つの呼吸法。一つ目が「頬杖・すーふーん呼吸法」で、やり方は次のとおりです。

　①     思いきりダラーッとリラックスして頬杖をつく

　②     鼻から息を吸う（すー）

　③     納得して（いるときのように）「ふうーん」といって息をはく

 

　以上です。「ええーっ？　それだけなの」という声が聞こえそうですが、それだけです。

　頬杖についての説明はあります。

　「頬杖をつくと、緊張してゆがんでいた顎の関節などの顔の骨格や頚椎のポジションが修正されるのです。人間は重い頭を細い首で支えています。どうしても前に落ちてしまいがちな頭を、一生懸命、首の裏側の筋肉で引っ張って支えているわけですが、そのために首が反り気味になって、頚椎の椎間板がつまってきてしまいます。

　頬杖をつくと、どうなるでしょう。

　まず、顎の筋肉がゆるんで顔の骨格が修正されます。そして首の裏側の筋肉がゆるんで、体幹部が沈んでいき、頭が取り残されます。胴体の重みで、なめらかに無理なく、頚椎に下向きに引っ張る力が働きます。ゆるみながらうまい具合に重力が利用されて、自然に体の重みによって首の裏側の筋肉がやわらかく伸展され、頚椎の位置が正しい場所に次々に戻ってきます」

　「頬杖はじつに理想的な調整法です。自分の体の重さを利用していますから安心です」

　「頬杖によって頚椎の椎間板のつまりが伸びて広がると、神経の通りや血液の循環もよくなります。脳の血流も高まり、たまっていた体液やリンパ液が流れます」

　どうでしょうか。頬杖とか、あくびとか、貧乏ゆすりとか、子どもの頃に何気なくやっていて親に怒られた、という経験がある人は多いと思います。でもそれは、もしかしたら細胞くんたちにとって必要な運動だったのかもしれません。「そういやあ、人前でやらないように意識しているうちに、一人でいる時もしなくなってたよな」と思った人は、この呼吸法を試してみてはいかがでしょう。効果があれば儲けものです。

 

　呼吸法は、あと「気持ちよくさすり呼吸法」と「身にしみる呼吸法」があるのですが、「頬杖・すーふーん呼吸法」を実践して効果を認めた人にしか意味がありませんので、割愛させていただきます。　　　　　なおし

 

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