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なおしのお薦め本(53)『金欠力』

  あした5月6日(火)まで、

 教室はお休みになります

 クリエイト速読スクール文演第1期生の小川なおしさんから、お薦め本が届いています。

 

   『金欠力

            吉野 信吾著

 「○○力」という本は数多く出ていますが、こんな本まで出ていたとは。

 「金欠力」とは「お金がない時に視点を変えて見ることで、新たなことを気付かせてくれる力」だそうです。

 誰が買うんだろう、この本? という疑問はさておき、意外とまじめな内容を紹介します。著者の幸福感がわかるところからの引用です。

 

 「……金欠の時ほど、夕陽のなかに身を置くことをお勧めします。黄昏、洛陽、斜陽と、夕暮れ時の太陽を形容する表現はさまざまです。緋色の陽は地平線の彼方へその姿を沈め、ついには闇に包まれますが、闇に包まれる前のひと時は、まさに『平穏』という言葉が相応しいほど、誰もが幸せな気持ちになるはずです。

 『幸せ』ということについて、古今東西いろいろ語り尽くされてきましたが、そのなかで、幸せには『べた凪』、英語でいう『Dead Calm』という表現がピッタリとくるとは思いませんか。

 風のない午後3時から4時頃、西陽のあたる縁側。編み物をする母親に、少し波打った古いガラスを通して黄金色の陽が柔らかに注ぐ。音もない静寂のひと時。ポカポカとした暖かな陽の匂いだけが溜まっている。私には、そんなイメージが浮かぶのです」

 「『幸せ感』とは、お金とは無縁のものではないでしょうか。『何もない平穏なひと時』こそが実は幸せで、あまりに身近で気付かない。そんな当たり前の時間ではないでしょうか。誰にでも平等にありながら、見過ごしてしまったり気付かない人が多い。でも、気付いた時は手遅れだった。そんな何気ないひと時だと思います。

 まさに死も同様で、遅かれ早かれ誰にでも平等に訪れますし、いくらお金があっても避けては通れないのです。そして、お金持ちはえてして死を恐れます。結果、長寿、アンチ・エージングといった不老不死をお金で買おうとします」

 著者は1958年生まれ。幸福感のイメージは人によって違うと思います。けれども、自分のイメージを掴んでおくことは大事でしょう。そうすれば、金欠の際にもダメージが少ないはずです。

 それにしても、よく著者は自分の幸福のイメージを明らかにしたものだと感心します。なかなかできることではありません。           なおし

 

             ■参考記事

      ※もりぞう爺さんの話(上)

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