2日間にわたって苦労して再セットアップに成功した、10年と4か月を供にした老兵Windows XPが古い恋人のように忘れられない。
こたつの上に古いXPと新しいWindows8.1を時に並べて火を入れる。
Wordや Excelで老人が何かをやるには、古いOfficeのXPが断然使い易い。
モデムの6ピン端子を付け替えてネットに接続すると、Internet Explorer8にまで戻し、Service pack3も適用したXPは早さに劣る。が、が十分使える。
Win8は軽く早いパフォーマンスがいいだけが取り柄だ。
表示機能、表示色(画面解像度)はXP 1024×768色、8.1は1366×768色
と、店頭で他の機種と較べても断然鮮明な高級機だった。
それがネットにつないで、あら不思議8.1は、”すりガラス状の画像”で、薄く鈍く淡いボケ画面なのです。画面がこれではネットサーフィン・ブラウジングの楽しみは薄れてしまった。ただ軽く早くするために鮮明度が犠牲にされたのであろう。
マイクロソフトは迷路に入ってしまったようだ。朝日日曜版「夏野剛の逆説進化論」を切り抜いている。端的に的を突いている。
・「8」は評判が芳しくない。新製品が売り上げ増につながらない。企業向けは「7」にダウングレードさえ起きている。
・僕も使ってみたが使い勝手が悪い。タッチパネルはマウスの方が簡単だしなじみもある。新しい機能が最適化されていないのだ。
・過去を捨てきれない中途半端なOSとなっている。社内のいろんな部署や立場の人が不満を抱かないようにつくられた、と思う。あっちも立て、こっちも立ててと開発しているうちに、結局何がやりたいのか分からない製品になってしまったに違いない。
・新商品が使い慣れた製品より使いやすいと感じられる利点が多数なくてはならぬ。それなのに「8」は「7」を上回るだけの新たな利点を消費者に提供できていない。
・この20年間、日本の大企業が陥った過去の経営資産を引きずって非連続なジャンプができなかった「慣性の法則」から、MSも逃れられなかった。
・MSのOSはPC並みの機能を持つタブレットではほとんど使われていない。
・経営陣の入れ替えも必要だろう。”
「8」が店頭に並んだとき店員に「パソコンがスマホの真似して何の取り柄があるの」と感想を述べたら「そのとおりです」と言った。
タブレットやスマホでアップルのipadやグーグルのアンドロイドに先行され、タブレット対応のOSで起死回生を狙う「8」だという。
12年4~6月期決算でMSは86年上場以来初めて純損益が赤字になった。(12.12.26朝日)
その犠牲者がPCユーザーではたまらない。