気が付けば、闇夜は既に終わっていた。
無意識に止めていた目覚まし時計に八つ当たりをしてから起きる。
飛び出して走りだすと、古巣に燕が戻ってきていた。
春風が吹いて、土に隠れていた種は芽を出し、枝に身を隠していた蕾も花を咲かせ始めている。
今眼前に広がっている風景は、せっせと皆で頑張ってまいてきた幸せの種の姿ともいえる。
前例のないトラブルにこうも弱いのかと驚いている。
人々が不要不急を口にするようになってから、少しずつ街の様子も変わってきている。
テレワークや休校で各家庭は団欒の日々を迎えつつ?!嵐が過ぎるのを待っている。
立身出世と自己実現を至上命題として取り組んできた社会が、今日も大いに軋んでいる。
軋みながらオリンピックは延期となったけれど、アスリートと呼ばれる人達は今日もトレーニングを重ねる。
彼らが勝負の直前に、
集中力を高めるためにイヤホンをして軽く体を動かしたり瞑想したりするのは、
何が邪魔をするからなのだろう。
平常心を保つためにルーティンワークを定めるのは、
何からの邪魔を寄せ付けない為なのだろう。
今回のウィルスで何人の死者がでるのかはわからない。
頭で考えると、交通事故や自殺者を越えるようなことが、確かにあるやもしれない。
今大切なことって・・・。