【日本美術】千利休「茶の極意を教えようか」
戦国の動乱で変転する時代、天下一の茶の湯者へとのぼりつめ、日本固有の美意識ともいえる「わび」の精神を茶の湯において確立させた人物であります。日本人であれば真心を持ち合わせるために、今こそ利休を学ぶことではないでしょうか。利休百首には私たち日本人が学べる歌があります。
「茶はさびて心はあつくもてなせよ道具はいつも有り合わせにせよ」
「茶はさびて」とは茶の湯は質素に華美で贅沢にならないようにせよ」ということです。道具は無理して買い求めたものや、珍器でなく有り合わせのものであっても誠実に心を込めてもてなせばよいのです。この利休の臨機応変を基本とする誠心誠意を込めたおもてなしの心をもう一度学び直すことが求められていると思います。