菊の花
暦の上、七十ニ候では「菊花開(きくはなひらく)」10月13日から17日までの期間をいいます。この時期にひと月遅れで花迎える旧暦9月9日の「重陽の節句」はちょうど菊の花の盛りの頃、別名「菊の節句」とも言われ、この日には菊の花を浮かべた菊花酒を飲み長寿と無病息災を願う風習がありました。また重陽の日に摘んだ菊の花を乾かして袋につめた「菊枕」で寝ると菊の香り漂う寝心地に夢に愛しい人が現れるとか、邪気を払うという言い伝えもあり、女性から男性に贈られたそうです。この時期には日本各地で「菊まつり」が開かれ、日本人には馴染みが深い秋を象徴する菊、その歴史は古く奈良時代中期に中国から日本に渡ってきました。江戸時代には園芸ブームで庶民に愛広まり、明治時代以降は皇室を中心とした菊花会をきっかけに菊花展や菊人形展が行われ多くの人を楽しませております。代表的な和歌と俳句です。
〇露ながら折りてかざさむ菊の花老いせぬ秋の久しかるべく 紀友則
〇早く咲け九日も近し菊の花 松尾芭蕉
日本の秋をたっぷりと楽しみましょう