超訳マンガ百人一首物語第九首(小野小町) b
小野小町はエジプトのクレオパトラ、中国の楊貴妃と並び世界三大美人として名を馳せていますが、各地に小町伝説を残しております。大歌仙唯一の女流歌人であり三十六歌仙にも選出されております。
花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに
「桜の花はむなしく色あせてしまったな。春の長雨が降っていた間に私の容姿もすっかり衰えてしまった。ぼんやりと物思いにふけっているうちに。」百人一首九番、古今和歌集113番にも収められております。特に百人一首のなかでも特に有名で花の色があせてしまったことを自身の美しさの衰えに重ねて詠んだものです。美しさが無くなってしまうのは無念であるという感情が花の移り替わりにたとえてあります。小野小町の和歌は虚しさや美しさ、そして無常という普遍的なテーマを詠んでおり、私達シニア世代にとって人生の移ろいを感じる今だからこそ彼女の歌に込められた深い感情が心に響くのではないでしょうか・・・ぜひ彼女の和歌を通して日々の生活に新たな視点や感動を見出してください。