最後は走るスキルというよりは行動の取り方・考え方の話になります。これから走るルートではずっと向かい風が続くようなら、遠回りになっても良いのであえて当初のルートから外れ、できるだけ木や建物などの遮蔽物の多い道を通っていくということです。ジグザグにゴールまで走るようなルートの取り方もアリです。
どんなに工夫して走っても、延々と向かい風の中を走り続けるのはどうしても疲れてしまうものです。そこで、根本的に向かい風を受けにくいようルートを変えることで、距離が延びてもずっと向かい風の中を走り続けるよりは疲れないですし、結果的にゴールまでの時間が短縮できる可能性もあります。
例えば、向かい風のなか河川敷のサイクリングロードを進み続けるよりも、場合によっては木が生い茂った峠道を通っていった方が楽で速い、なんてこともあるわけです。向かい風は回避できないものと思われがちですが、実はこういう方法を取ることで回避できるかもしれないことは、知っておいて損はありません。
どうしても向かい風が避けられない時は、風向きで走るコースを選ぶようにしています。基本的に追い風に乗って走り、向かい風の中を帰ってくるスタイルです。理由はモチベーションです。強い向かい風の中をスタートすると、途中で心が折れ、引き返してしまうことが多くなるからです。追い風なら行くだけ行ってしまえば距離は稼げます。当然、帰路は辛くなる訳ですが、どうしても帰らざるを得ないので、そこは無理が効くという理屈です。
向かい風ほどではありませんが、横風も厄介な存在です。この場合はどう対処したらいいのでしょうか?基本的には向かい風と同じで、なるべく風を受ける面積を減らすようにすることです。フォームの取り方は、先に説明したとおりです。そうすることで、風を受けて横に煽られたり、ハンドルを取られにくくなるのです。
そのとき注意するべきポイントとしては、横風では風が吹いてくる向きに対してどうしても自転車をやや倒す状態になってしまうのですが、それでも体だけは地面に対して真っ直ぐな状態を保つことです。体も自転車と一緒に倒してしまうと、そちらの方向へどんどん斜めに進んでしまい、危険です。イメージとしてはホイールを風にぶつけていくイメージで良いと思います。
その上で、一番効果があるのはリムハイトの低いホイールを装着することだと思います。機材交換という話にはなってしまうのですが、どうしてもリムハイトの高いホイールを装着していると風にあおられてハンドルが取られやすくなるのは間違いのないことです。私もそうですが、最近はエアロロードの普及で比較的ディープなリムのホイールを使う人が増えてきていますが、クイックリリースやスルーアスクルのバイクなら、ホイール交換は容易です。出発前の風の状況を見て判断してください。
ただリムブレーキの場合は、ホイールのリムがアルミかカーボンかで、シューが異なり、簡単にホイール交換はできません。私はリムブレーキ用のディープリムホイールは持っていませんので、風が強い日はバイクそのものを替えることもあります。せめて前輪だけでもローハイトのホイールを装着できると、ハンドルがかなり取られにくくなり、速く走れるというよりは、安全に楽に走ることにつながります。
安全面を考えたら、あまり風の強い日はライドを避けることも必要です。個人的には風速6m/秒をひとつの目安にしています。風速が10m/秒というような日はライドは諦めます。今は天気アプリで行先の天気も確認できますから、スタート地点だけではなく、行先の風向きや風速の予報を事前に確認しておくと良いでしょう。
プロならともかく、私のようなホビーライダーは安全第一です。ロードバイクはリスクもある乗り物ですから、趣味で怪我をして仕事に影響が出ることは避けたいものです。強い風はリスクになることは是非知っておいてもらいたいと思っています。
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