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Supersix EVOの山岳賞の意味(4)

2024-08-02 11:34:20 | ロードバイク
 今年CANYONは新型AEROAD CFRを発表しています。目立った変更点はないようでしたが、蓋を開けたらエアロ性能が図抜けたバイクに変貌していたのです。TOUR誌では純粋にフレーム単体の空力性能が2W向上したという記事が掲載されています。たった2Wと感じるかもしれませんが、既に空力性能が高止まりしているエアロ系ロードバイクにおいて、フレーム単体で2Wもの改善をしたことは大きな意味を持つことになります。

 単純に観てみるとダウンチューブが約40mm強と薄くなっています。旧型のCFRは43mm強でしたので、3~4mmも薄くなっているのです。第4世代のSupersix EVOもダウンチューブがかなり薄くなっていますが、それでも47mm以上はあるのです。ダウンチューブはパワーを受け止める重要な部位なので、ここを薄くすることはリスクも伴います。おそらくトップチューブ側の剛性を高くしたのでしょうが、そのバランスがどうなのかが気になるところです。

 確かに平地では勝負にならないかもしれないSupersix EVO LAB71ですが、登りでの性能はこちらが上だと個人的には思っています。おそらく軽さと剛性のバランスが良いので、登りでの反応が良いオールラウンドなバイクといえるでしょう。実際に私も旧Supersix EVO(第3世代)と45mmのディープリムを履かせた第4世代のSupersix EVOで同じ距離の登りでパワーとタイムを比較してみましたが、重量が遥かに重いスタンダードモッドにもかかわらず、登りのパワーが少なくタイムを短縮することが出来たのです。

 バイクの重量はリムブレーキモデルの第3世代の方が軽いのですが、重量があるにもかかわらず、少ない力で速く登れる結果になりました。確かに勾配の急な区間で速度が15km/hを切ってしまうとエアロ効果はほとんど得られないのですが、緩斜面で速度域が上がるとエアロ効果が効いてくるようです。脚の無いホビーライダーでこれなら、より軽量なLAB71でプロの一流選手が使えばツール・ド・フランスの山岳賞が取れたという実績は大きいと思っています。

 クリテリウムなどのレースで勝ちを狙うのならCANYON AEROAD CFRなのでしょうが、ヒルクライムや登りの多いレースならSupersix EVOも負けてはいないはずだと思っています。速度が上がれば上がるほどCFRが有利ですが、ホビーライダーの脚力だとむしろ乗り心地の良いSupersix EVOのスタンダードモッドの方が向いていると思います。
 下りではフロント50T、リア11Tではギアが足りず、クランクセットをミッドコンパクト(52/36T)に交換することも考え始めています。過去にCAAD12ではミッドコンパクトの52/36Tに泣かされ、コンパクトに替えているのですが、第4世代のSupersix EVOの機械式105の12速はリアが11-34Tか11-36Tというワイドレシオなので、フロントが52/36Tでもエアロ効果を考えれば使いこなせるかもしれないという感じなのです。
 ここでひとつ訂正しておかなければいけないことが出て来てしまいました。現在EFエデュケーション・イージーポストが使用しているSupersix EVOはLAB71ではなくHi-Modだそうです。当然、カラパスのバイクもHi-Modです。6.8kgという重量規制の関係でプロツアーではより軽量なLAB71を使うメリットが少ないという判断なのかもしれません。初代のSupersix EVOの時もシートポストに鉛を入れて重量調整をしていたという経緯もあるのです。
 




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