さなえのうた

歌いながらあちこちに出没します♪

大隅ピアニッシモ

2012-08-16 | 鑑賞日記

先日は(今日でも昨日でもなく・・・)
大田区民オペラ『トゥーランドット』を観に行きました。

 

ツイッターでもつぶやきましたが、
もし日本にスタンディングオベーションの文化があったら、
間違いなくそれを受けているだろうなと思うくらい、
素晴らしい公演でした。

 

終演後、なかなか鳴り止まない拍手や、
なかなか下されない緞帳・・・

↑ これって、緞帳を下すスタッフさん達も、
公演が終わってしまうことをさみしく思っている証拠なので。。。

ロビーに溢れる人・楽屋口に殺到する人・出口で話し込む人・・・
ホールの目の前にある居酒屋になだれ込むグループ・・・

 

 

 

これが文化ですよ、橋下さん!!!

 

 

 

それはさておき。

 

 

ソプラノの大隅さん、大ファンです。

日本で最高のリリコ・ソプラノだと思う!

 

 

彼女が高音域で出すピアニッシモ・・・
・・・大隅ピアニッシモと呼ばれているらしいのですが・・・
これが聴きたくてチケットを買いました。

トゥーランドットのリューという役には、
高音でのピアニッシモが効果的に出てくるのです。

 

 

先ずは1幕。“スマイル”という単語です。

奴隷である彼女が献身的に王子や、盲目となってしまった王に仕えるのは、
王宮で王子が“微笑んでくれたから”。

奴隷である自分に、王子である彼がスマイルをくださったから。

 

 

人間として扱われないことの多い奴隷という身分。
そんなリューに微笑みかける。

 

もちろん王子はそんなこと覚えていないと思います。
リューに微笑みかけた訳ではなく、誰にでも優しい顔を見せるのだと思います。

 

 

リューにだけ特別に微笑みかけてたら・・・

どんだけ女好きやっちゅうねんっ!って話になっちゃうので。

 

 

でも、リューにとっては嬉しかった。人間として扱われたようで、
ちゃんと、人として見てもらえたようで、嬉しかった。

 

生きていたいと思ったかもしれないし、
奴隷として、生きていけると思ったかもしれないし、
この人のために生きていようと思ったかもしれないし。

この人のためなら命さえ投げ出すと思ったかもしれないし。

 

 

そう思えるきっかけとなった“スマイル”

その単語を歌う時に、高音でのピアニッシモが要求されるのです。

 

 

中低音域がしっかりと鳴る人で、
高音のピアニッシモを持っている人は少ないのが現状・・・

私のようなレッジェーロだったら出せるかもしれませんが、
私の声では中低音域が出せない。

・・・いや、出せるのですが、
オーケストラを相手にしたら、かき消されてしまいます。

 

 

軽やかに宙を舞う新体操の選手が、
レスリングや柔道の試合に出るようなものです。

軽々と持ち上げられて終わりでしょう。

 

 

伴奏がピアノだったり、会場がトナカイだったら出場しても良いのですが。

 

 

彼女はリリコで、軽々と宙を舞うことができる人です。

楽しみに出かけました・・・そして、期待通りでした。

 

 

ピアニッシモで響く“スマイル”

その笑顔が、どんなに崇高で輝いていたかを容易に想像できる響き!

 

 

チケット買ってよかったぁ~

 

 

そして、1幕のアリアで聴かせてくれた高音でのフォルテも、素敵でした。

いつもあのフォルテを聴かせてくれるといいな~。

 

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今日のつぶやき

2012-08-16 | インポート


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