オペラ『ラ・ボエーム』について語っちゃいたいこと、その②
本名がルチアなのに、なぜミミと呼ばれているのか。
これはねー、以前ボエームに出演させて頂いた時に、
マエストロと『だよねー』と盛り上がっちゃった話なのですが。
ミミは本名のルチアに由来する愛称ではないでしょう。
ではなぜミミ?
これは、本名が剛(たけし)なのにジャイアンと呼ばれるのに似ていると思います。
つまり、通称。
ではなぜ、通称がミミ?
ボエーム考①でも書いたように、
彼女は自己紹介のアリアでこう歌い出します。
(以下、斜体はさなえ訳)
Mi chiamano Mimi
(人々は)私をミミと呼びます
※Mimiの二つ目のiには右下がりのアクセントが付きます
この文の最初についているMiがポイントです。
彼女のセリフを拾い出してみると、
主語の『私は io 』を使わずに
『あなたは・彼は・人々は』などの他人称を主語として
『私に/私を mi 』を使って自分のことを話すことが多いです。
例えば・・・
1幕、アリアの歌い出し
Mi chiamano Mimi (※Mimiの二つ目のiにはアクセントがつきます)
(人々は)私をミミと呼びます
⇒ 普通は、Io(私は)を主語として Mi chiamo...と名乗ります
2幕、マーケットでの会話
Mi sta ben questa cuffietta rosa?
このバラ(色)の(小さな)帽子は私によく似あうかしら?
⇒ 「私はこれが欲しい」とおねだりしてもよくないかしら?
3幕、ロドルフォが店から出てきた時
Ch'ei non mi veda! 彼が私を見ないように!
⇒ 「私は彼に会いたくない」という意味で使っているはずなのに!
3幕、店の中に入ろうと言われた時
quel tanfo mi soffoca! あの臭いが私を息苦しくさせる!
⇒ 「私は入りたくない」という意味でしょう!
4幕、ロドルフォの元に戻ってきた時
Mi vuoi qui con te? 私にここにいて欲しい?
⇒ 「私はあなたと一緒に居たい」って意味だよね?
4幕、死の床で
Tu non mi lasci? あなたは私を離さない?
・・・ロドルフォは強く彼女を抱きしめます「No! no!」
いつも mi... mi...と他人称を主語として話すので『ミミ』
私はこうしたいって滅多に言わないんですよね。。。ミミは。
だから「彼のそばで死にたい」というミミの願いを、
しかもvorrei morirではなくvoglio morirと言ったミミの言葉を
仲間たちは全力で叶えてあげるのだと思います。
これが、マエストロと意見一致した結論。
本名がルチアなのに、なぜミミと呼ばれているのか。
これはねー、以前ボエームに出演させて頂いた時に、
マエストロと『だよねー』と盛り上がっちゃった話なのですが。
ミミは本名のルチアに由来する愛称ではないでしょう。
ではなぜミミ?
これは、本名が剛(たけし)なのにジャイアンと呼ばれるのに似ていると思います。
つまり、通称。
ではなぜ、通称がミミ?
ボエーム考①でも書いたように、
彼女は自己紹介のアリアでこう歌い出します。
(以下、斜体はさなえ訳)
Mi chiamano Mimi
(人々は)私をミミと呼びます
※Mimiの二つ目のiには右下がりのアクセントが付きます
この文の最初についているMiがポイントです。
彼女のセリフを拾い出してみると、
主語の『私は io 』を使わずに
『あなたは・彼は・人々は』などの他人称を主語として
『私に/私を mi 』を使って自分のことを話すことが多いです。
例えば・・・
1幕、アリアの歌い出し
Mi chiamano Mimi (※Mimiの二つ目のiにはアクセントがつきます)
(人々は)私をミミと呼びます
⇒ 普通は、Io(私は)を主語として Mi chiamo...と名乗ります
2幕、マーケットでの会話
Mi sta ben questa cuffietta rosa?
このバラ(色)の(小さな)帽子は私によく似あうかしら?
⇒ 「私はこれが欲しい」とおねだりしてもよくないかしら?
3幕、ロドルフォが店から出てきた時
Ch'ei non mi veda! 彼が私を見ないように!
⇒ 「私は彼に会いたくない」という意味で使っているはずなのに!
3幕、店の中に入ろうと言われた時
quel tanfo mi soffoca! あの臭いが私を息苦しくさせる!
⇒ 「私は入りたくない」という意味でしょう!
4幕、ロドルフォの元に戻ってきた時
Mi vuoi qui con te? 私にここにいて欲しい?
⇒ 「私はあなたと一緒に居たい」って意味だよね?
4幕、死の床で
Tu non mi lasci? あなたは私を離さない?
・・・ロドルフォは強く彼女を抱きしめます「No! no!」
いつも mi... mi...と他人称を主語として話すので『ミミ』
私はこうしたいって滅多に言わないんですよね。。。ミミは。
だから「彼のそばで死にたい」というミミの願いを、
しかもvorrei morirではなくvoglio morirと言ったミミの言葉を
仲間たちは全力で叶えてあげるのだと思います。
これが、マエストロと意見一致した結論。