【霊告月記】第四十四回 張一兵と子安宣邦:現存する世界最高の思想家
世界史的洞察の領野を開拓した東アジアの高峰。それが現存する世界最高の思想家であるところの中国の張一兵氏と日本の子安宣邦氏である。そのような内実を持った思想的理解の一端を先日ツイッターに投稿しました。以下は5月28日に於ける私のツイッター記事の転載です。
◆5月26日:廣松渉没後25年ミニシンポ・張一兵「フーコーへ帰れ」出版記念講演会:◆ このシンポジユウムに参加してきました。私も二度張一兵先生に質問しましたが、通訳の女性の丁助教授の日本語がたいそう素晴らしかったこともあって、驚くほど深い思想的な内実を伴ったご回答を頂きました。
会場で購入した先生の著書『フーコーへ帰れ』はまだ読み始めたばかりですが、翻訳者の中野英夫さんの精魂込めたお仕事の賜物でしょう、シンポジウムでの深遠で明晰な語り口が完璧に再現されています。張一兵著『フーコーへ帰れ』は私にとって決定的な転機をもたらす重要な書物になる予感がします。
張一兵氏が東京で講演したその同じ日、子安宣邦氏は北京で講演していた。奇しくも日中双方の思想史研究の第一人者が、双方の相手の国で講演していたわけである。子安氏は北京講演の報告をフェイスブックでなさっている。私はその子安先生の報告にコメントを付けたので、次に転載しておきます。
「私の思想史におけるフーコーの受容とその後を問う女性読者がいた。このような読者がいて、はじめて私の著書の中国語訳があるのだろう(子安宣邦)」とのこと。私も先生の思想史におけるフーコーの受容には大いなる関心を抱いています。この点に関しては私の理解はまだ判然としておりません。
肝心のフーコー理解がまだその中国の女性読者ほどには追いついてないからです。偶然ですが二日前から日本語訳の張一兵『フーコーへ帰れ』を読み始めています。日本語版で760頁の大著ですが、とてつもなく面白い本です。
撮影:菅原 秀宣氏
もしかするとその中国の女性読者は『フーコーへ帰れ』を中国語原文ですでに読み終えており、そのフーコー理解を踏まえて先生に質問したのかもしれません。同じ問題意識を共有するその中国の女性に熱い連帯の挨拶を送りたいと思います。
以上です。いまこのツイッター記事に付け加えることは何もありません。私はいまこのような認識を持しており、堡塁は確保した、ここから前進していくのだという決意を申し述べたかっただけです。
】霊告【 規律訓練システムについて究極の洞察を語るミシェル・フーコー
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■■□■□
★ダンボールの部屋へようこそ!!! ⇒ コンテンツ総目次&本文へのリンク
最新の画像[もっと見る]
-
【霊告月記】第七十六回 連句:風にゆられて 3年前
-
【霊告月記】第七十一回 九鬼周造とサルトル 3年前
-
【霊告月記】第七十回 必殺の呪文「コロナ、来るな! 」 3年前
-
【霊告月記】第六十六回 蘇峰と蘆花 忍者になりたかった! 4年前
-
【霊告月記】第六十五回 ムイシュキン公爵とは誰か? 4年前
-
【霊告月記】第五十五回 「ラス・メニーナス」と「資本論」 5年前
-
【霊告月記】第五十四回 輝く" 夜明けのスキャット "から煌めく" Agape "へ 5年前
-
【霊告月記】第五十一回 連帯を求めて孤立を恐れず 5年前
-
【霊告月記】第五十回 君は絶世の美女を見たか? 5年前
-
【霊告月記】第四十八回 本格的な橋川文三の時代がやってくる! 5年前
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます