2022年度版 渡辺松男研究2の27(2019年9月実施)
Ⅳ〈蟬とてのひら〉『泡宇宙の蛙』(1999年)P133~
参加者:泉真帆、岡東和子、A・K、菅原あつ子(紙上参加)、
渡部慧子、鹿取未放
レポーター:泉真帆、渡部慧子 司会と記録:鹿取未放
206 わがこころはつかに乱れたる恋をひとしらぬなり赤唐辛子
(当日意見)
★やっぱり赤なんだなと思った。赤唐辛子だからこそ最後がぴしっと決まっている。
成っているところがかわいらしいですね。(岡東)
★私はもう少し苦い感じかなと思いました。(鹿取)
★赤唐辛子は辛いですよね。悪いけど蟬の歌と比べると別人かと思うほどです。まあ、
歌集って一色では駄目だから哲学的な深い歌の後に箸休めに置かれたのかな。でも、
この歌、俗の極みです。全身全霊でなら赤唐辛子でもわかるけどはつか乱れたくら
いで赤唐辛子を持ってくるのは違うんじゃない。(A・K)
(レポート①)
4句までの内容は比較的わかりやすいが、結句の赤唐辛子が何とも秀逸。言葉にできない感情のにじみのようなもの、ひとしらぬなりという秘められた恋、そんなことも赤唐辛子にたくされて、その上で全体を引き締める。ひらひらした散りやすい花では功を奏さないだろう。短詩型において物に寄せて詠うと言うことをつくづく思う一首。(慧子)
(レポート②)
恋に乱れた心は人知れず真っ赤っかなのだよ、と詠う。唐辛子には赤や緑や黄色があるが、「赤唐辛子」なのだという。結句でピシリと決めたことで、身もだえするような恥ずかしさが一層際立つ。この赤唐辛子、ちょっと気の毒で可愛らしくもある。(真帆)
(レポート③)(紙上参加意見)
『自分にもわずかに心を乱した恋があったよ。だれもしらないけどね』という、ちょっと軽くてこの作者にしてはわかりやすい歌だが、結句の「赤唐辛子」がとても効いていていい歌。真赤な小さなピリッと辛い、思い出。(菅原)
Ⅳ〈蟬とてのひら〉『泡宇宙の蛙』(1999年)P133~
参加者:泉真帆、岡東和子、A・K、菅原あつ子(紙上参加)、
渡部慧子、鹿取未放
レポーター:泉真帆、渡部慧子 司会と記録:鹿取未放
206 わがこころはつかに乱れたる恋をひとしらぬなり赤唐辛子
(当日意見)
★やっぱり赤なんだなと思った。赤唐辛子だからこそ最後がぴしっと決まっている。
成っているところがかわいらしいですね。(岡東)
★私はもう少し苦い感じかなと思いました。(鹿取)
★赤唐辛子は辛いですよね。悪いけど蟬の歌と比べると別人かと思うほどです。まあ、
歌集って一色では駄目だから哲学的な深い歌の後に箸休めに置かれたのかな。でも、
この歌、俗の極みです。全身全霊でなら赤唐辛子でもわかるけどはつか乱れたくら
いで赤唐辛子を持ってくるのは違うんじゃない。(A・K)
(レポート①)
4句までの内容は比較的わかりやすいが、結句の赤唐辛子が何とも秀逸。言葉にできない感情のにじみのようなもの、ひとしらぬなりという秘められた恋、そんなことも赤唐辛子にたくされて、その上で全体を引き締める。ひらひらした散りやすい花では功を奏さないだろう。短詩型において物に寄せて詠うと言うことをつくづく思う一首。(慧子)
(レポート②)
恋に乱れた心は人知れず真っ赤っかなのだよ、と詠う。唐辛子には赤や緑や黄色があるが、「赤唐辛子」なのだという。結句でピシリと決めたことで、身もだえするような恥ずかしさが一層際立つ。この赤唐辛子、ちょっと気の毒で可愛らしくもある。(真帆)
(レポート③)(紙上参加意見)
『自分にもわずかに心を乱した恋があったよ。だれもしらないけどね』という、ちょっと軽くてこの作者にしてはわかりやすい歌だが、結句の「赤唐辛子」がとても効いていていい歌。真赤な小さなピリッと辛い、思い出。(菅原)