かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠 243 中国⑪ 

2023-05-28 12:37:46 | 短歌の鑑賞
2023年度版馬場あき子の旅の歌32(2010年10月実施)
      【砂の大地】『飛天の道』(2000年刊)189頁~
      参加者: N・I、Y・I、T・S、曽我亮子、鹿取未放
      レポーター: N・I 司会とまとめ:鹿取 未放

243 砂漠いまにすべてを埋づめつくすべし無為にしづかと誰か言ひたる

        (レポート)
 沙漠は今静かに変化している。かつての時代、沙漠で繰り広げられた諸々のこ中が置く中が置くったかのように砂が覆っている。(N・I)


      (まとめ)
 地球温暖化のせいか砂漠化のスピードが速まっていると聞く。そうして沙漠の民たちは今も水不足に苦しめられている。いつか地球全てが沙漠と化すのかもしれない。「誰か言ひたる」は作者がよく使う手法だが、同行者とかの実際の声ではなく、作者の心の中のつぶやきだろう。もちろん声を聞くのは文献による知識があってのことであろう。「無為にしづか」はそういう未来のいつかを思う空恐ろしさを反映したことばだろう。  (鹿取)

コメント
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