かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男『寒気氾濫』の一首鑑賞 403

2025-02-14 15:45:57 | 短歌の鑑賞

 2025年度版 渡辺松男研究48(2017年4月実施)
     『寒気氾濫』(1997年)
     【睫はうごく】P160~
      参加者:T・S、A・Y、渡部慧子、鹿取未放
           レポーター:渡部 慧子     司会と記録:鹿取 未放          


403 あゆみくる君をひかりはあばくなよ夏帽深くまなじりはある

             (レポート)
 夏帽子の君があゆんでくる。「夏帽深くまなじりはある」という美しい描写に対して上句の命令形がいい。夏の強い光りに照射されて傷つきはしないかと相手を思うこころ。(慧子)


             (当日発言)                         
★まなじりって強い感じを受けますが。上句がいいですね。(T・S)
★「夏の強い光りに照射されて傷つきはしないか」というのはちょっと違って、秘めた恋だから夏帽子を目深に被って君は逢いに来るんですよね。だからひかりにあばくなよと言っている。まなじりは、いかにもキッと強そうなイメージですが恋を遂げたいっていう決意がにじんでいるのかもしれませんね。もちろん、秘めた恋というのは歌の中の設定であって、現実の作者がそういう恋をしているかどうかは関係ありません。(鹿取)                             

 


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