かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男『寒気氾濫』の一首鑑賞 405

2025-02-16 11:32:17 | 短歌の鑑賞

 2025年度版 渡辺松男研究48(2017年4月実施)
     『寒気氾濫』(1997年)
     【睫はうごく】P160~
      参加者:T・S、A・Y、渡部慧子、鹿取未放
         レポーター:渡部 慧子     司会と記録:鹿取 未放          


 405 音楽に満つる銀河と君はいうここにコーヒーカップがふたつ

              (レポート)
 どこかのお気に入り空間でよい音楽につつまれていよう。二人の今という現実が「音楽に満つる銀河」と詩的にとらえられる。さらに「ふたつ」とはつくづくよい数であり、又、よい和語だ。ゆたかな空間に二人のよい時が流れる。(慧子)


              (当日発言)
★下句、唐突に画面が変わりますが、鮮やかな感じです。(A・Y)
★美しい歌ですね。この歌は好きな歌で哲学的な感じがします。「音楽に満つる銀河」って世界は音楽にみちみちているっていう、それは現実に演奏された音楽ということではなくて、小鳥の声も自然 界の音も、いろんなものをさして「音楽」って言っているんだと思います。「世界」ではなく「銀河」と言っているので、地球の豊かな音楽と、それを包んで無限のように広がる銀河、そこは無音なのか、音があるのか私は知らないのですが、哲学的なある調和の状態を言っているのでしょうか。もちろ ん、喫茶店でも音楽は流れているのでしょうけど。私は勝手に、明るい庭に向いた書斎で向き合ってコーヒーを飲んでいる場面を想像しました。まあ「君」が「音楽に満つる銀河」と感じるのはふたりがここちよい関係にあるからで、肯定感がいいですね。(鹿取)
                             

 


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