かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男『寒気氾濫』の一首鑑賞 400

2025-02-11 09:40:32 | 短歌の鑑賞

 2025年度版 渡辺松男研究48(2017年4月実施)
     『寒気氾濫』(1997年)
     【睫はうごく】P160~
      参加者:T・S、A・Y、渡部慧子、鹿取未放
              レポーター:渡部 慧子     司会と記録:鹿取 未放          


400 やまざくら抱くさっかくにおちいりて大空のごとく瞑りていたり

              (レポート)
 「やまざくら」とは恋人なのだろう。「さっかくにおちいりて」に、はにかみを込めているのかもしれない。目を閉じて、しみじみそのときを味わったであろう。(慧子)


             (当日発言)
★自分が大空になっているんですね、目をつむって。(T・S)
★やまざくらと大空の取り合わせがいいなあと思いました。でも、「さっかくにおちいりて」がよ く分からないですね。(A・Y)
★抱いていたのは女性なんですね。でも、染井吉野のような華やかなさくらではなくてやまざくらというところがいいですね。ちょっと野生があって素朴で、つんとすましたような都会の桜とは違う。それで女性を抱きながら、素朴な山桜をおおらかに包み込む大空のように自分は目を瞑っていた。(鹿取)
  

コメント
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