ホテルマウンテンリゾートの朝。左端に言い作見える隘路意山がダウラギリか背景の山は、たぶんただの山。この後の方に「ゆきゆきて六千メートルに満たざるはただ「山」と呼ぶヒマラヤ連峰」の歌が出てくる。
柳を植樹したカリガンダケ川の河原、後方はダウラギリ?こちらが西方向
ホテルから街道に下っていく途中から撮った隊商。ホテルはこの崖のずっと上に建つ。隊商の向かっている方向が東、つまりアッパームスタン
2025年度版 馬場あき子の外国詠15(2009年1月実施)
【ニルギリ】『ゆふがほの家』(2006年刊)81頁~
参加者:K・I、N・I、T・K、T・S、N・T、
藤本満須子、T・H、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:渡部慧子 司会とまとめ:鹿取 未放
ネパールのアッパームスタンに「こしひかり」を実らせた
近藤亨翁をたずねてジョムソンに行った。
(この詞書のような2行は、「ニルギリ」の章全般に掛かる。鹿取注)
127 高き雲西へ去りゆき低き雲東へわたるニルギリの朝
(まとめ)
ジョムソンはとにかく風が強いことで有名だそうで、時には風速50メートルということもあるようだ。そんな強風のイメージではなかろうか。ホテルにいて向かいのニルギリを眺めていると、強風に乗って高い雲は西方へ、低い雲は東方へ流れていったという。地図で見るとどちらかというとニルギリに向かって西が雄大なダウラギリが常に白い姿を見せていたポカラ方向。東がアッパームスタン、つまりチベット方向になるようだ。ただ東西の方向は厳密ではなく、「月は東に日は西に」のように「西に……東に……」という声調の方に重点がおかれているのだろう。132番歌に〈いつしかに弓月が岳に雲わたる声調を思へりき雲湧くヒマラヤ〉という人麻呂を下敷きにした歌があるが、ヒマラヤの朝の雄壮な情景をうたいたかったのであろう。(鹿取)