かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男の一首鑑賞 131

2020-12-13 18:48:11 | 短歌の鑑賞
 渡辺松男研15(14年5月)まとめ
    【Ⅱ ろっ骨状雲】『寒気氾濫』(1997年)57頁~
     参加者:四宮康平、鈴木良明、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
     レポーター:渡部 慧子 司会と記録:鹿取 未放
             

131 平原にぽつんぽつんとあることの泣きたいような男の乳首

     (発言)(2014年5月)      
★お父さんの広い胸に小さな乳首があるということに人間的な悲しみを感じている。(曽我)
★ここにお父さんと作者の平等感がある。男としての共感。これがあるので、さっきの歌(くれない
 のコレステロールも欲も濃き父の大声われをはじけり)が悪口ではないことが分かる。(鈴木)
★平らな胸に役に立たない乳首をもっている男一般のこっけい故に存在のさびしさとかいとしさ
 を感じている歌と読んでいましたが、お父さんの一連に置かれているということは、当然、鈴木さ
 んのように読まないといけなかったですね。(鹿取)
★でも、渡辺さんの歌は「われ」といっても自分自身だけをさしている訳じゃないし、常に人間一 
 般のことでもあるから、ここもお父さんと言っても渡辺さん個人のお父さんにかぎらないわけ
 です。(鈴木)
★お父さんという存在が見上げるだけの人なら、そもそも乳首は見ないだろうし。今まで僕は乳首
 なんて意識しなかったけど、男の体には確かに嬉しくないものがあるんですね。(四宮)
★今の四宮さんの発言、面白いですね。お父さんを常に恐れているとか見上げているばかりではな
 いからこそ、乳首なんってものを見て、注目したのですね。(鹿取)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 渡辺松男の一首鑑賞 130 | トップ | 渡辺松男の一首鑑賞 132 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

短歌の鑑賞」カテゴリの最新記事