かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠 33 アフリカ③

2023-08-01 16:55:32 | 短歌の鑑賞
 2023年度版馬場あき子の外国詠4(2008年1月)
  【阿弗利加2 金いろのばつた】『青い夜のことば』(1999年刊)P162~
  参加者:K・I、N・I、崎尾廣子、T・S、高村典子、藤本満須子、
       T・H、渡部慧子、鹿取未放
  レポーター:渡部慧子 司会とまとめ:鹿取 未放
       
 
33 鞄ごと跳ねて喜々たる少女ふと迷路に消えてここより自由市場(スーク)

      (まとめ)
 初句の描写にいかにも楽しげな少女の様子が見えるようだ。こういう元気の良い少女はどこにもいるものでかわいいなあと見ていたら、外国人には迷路のように見える路地に入っていってしまった。ここからはスークと呼ばれる野外市場である。すこし恐いが好奇心いっぱいな作者が思われる。T・Hさんのは穿った意見だが、この歌に少女の悪意を見てしまうとこの歌の弾んだ気分を害してしまう。謎程度でとどめた方がいいだろう。(鹿取)
                    
      (レポート)
 旅のつれづれ、作者の前を行く少女に目がとまる。持っている鞄は少女の夢や未来を象徴していて、いい小道具である。迷路に少女が消え、そこはスーク。鮮やかな場面転換。(慧子)

     (当日意見)
★実はこの少女は観光客をおびき寄せる役割をしているのかもしれない。(T・H)      


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