かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠 160(ネパール)

2020-01-24 18:14:43 | 短歌の鑑賞
  馬場あき子の外国詠 20(2009年8月)
    【牛】『ゆふがほの家』(2006年刊)94頁~
    参加者:N・I、Y・I、泉可奈、S・S、T・S、曽我亮子、
         T・H、渡部慧子、鹿取未放           
    レポーター:T・H 司会とまとめ:鹿取 未放
              
160 一寸の金の仏を得たる街犠の水牛の血を見たる街

            (当日意見)
★金の仏を土産に買ったのか、下の句は別のことがら。(S・S)


            (まとめ)
 カトマンズだろうか、この街で小さな金の仏を買った。いっぽう、同じ街で水牛が何かの生け贄として血を流しているのを見た。そういう混沌とした街の様子を感慨深く思い巡らせたのだろう。「~街」、「~街」とぶっきらぼうな感じもその統一感のなさに、しばし思考停止してことがらだけを投げ出した感がある。しかし、金の仏と水牛を対照させ、混沌そのもののような街や人間を面白がっているのであろう。(鹿取)




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