かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

清見糺の一首鑑賞  18

2020-06-15 17:38:29 | 短歌の鑑賞
     ブログ版清見糺鑑賞 4  
          かりん鎌倉支部  鹿取未放  

18 緑陰に黄色いえんぴつ削る午後ふとババリアの風を思えり
              (かりん94年7月号)

  参考:草わかば色鉛筆の赤き粉のちるがいとしく寝(ね)て削るなり
              北原白秋『桐の花』(T2)

  ババリアはドイツ南部の穀倉地帯、バイエルン。葡萄やホップ畑が広がる土地 らしい。緑と黄色の色合わせが鮮やかで、葡萄やホップの畑を吹きすぎる透明で ここちよい風が読み手にも通ってくるような歌。
  参考にあげた白秋の歌は、無意識だったにしろ、この歌にある作用を与えてい るだろう。ただ、白秋の歌にある青年期特有の鬱屈した気分はこの歌にはない。

 

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