かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

清見糺の一首鑑賞  17

2020-06-14 19:00:31 | 短歌の鑑賞
     ブログ版清見糺鑑賞 4  
          かりん鎌倉支部  鹿取未放  

17 人の恋あげつらうときおんなたちはみなメドウサの眷族である

 メドウサはむしろ被害者であるかもしれないのだが、ここでは作者の意図に沿って解釈しておく。メドウサはギリシャ神話の妖怪である。髪の毛は全て恐ろしい蛇からできており、二目と見られない容貌をもち、彼女の顔を見た者を石に変えてしまうという。
 他人の恋をあれやこれや取りざたして偉そうに非難し裁いているつもりの女たちはみんなこの醜いメドウサの仲間だというのである。メドウサが「支配する女」という意味だと知ると、ここにはけっこう毒が込められているようだ。「支配する女」たちの口やかましさに作者はほとほと疲れていたのであろう。
 ちなみに、もともとメドウサは海の神パントスを父に、大地の神ガイアを母に誕生した三姉妹のひとりで、ヴィーナスに匹敵する美女で見事な金髪の少女だった。そのため海の神ポセイドンに愛され、ポセイドンの妻の呪いを受けて恐ろしい姿になったのだという。



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