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雪村-奇想の誕生-

2017-04-20 19:04:34 | 日記

東京芸術大学美術館の特別展に行ってきました。

せっそん、といいます。

室町時代に活躍した水墨画の作家ですが、ほぼ同時代に雪舟という画家がいて、水墨画といえばこちらのほうが有名です。

雪舟は中央の京都で活躍し雪村のほうは常陸佐竹氏の流れに生まれて、福島の会津や小田原、鎌倉などをめぐり、福島の三春で晩年を過ごした作家ということで、さほど知名度は高くないようです。

特別展では活躍の時期ごとにまとめられていました。

初期のものは中国のものを模写したものなど、風景を主とした水墨画ですが、時代を追うごとに飛び上がったりひげや服が風になびいたりと動きの表現が見事になっていきます。

 左部分は絶頂期の代表作「呂洞賓図」の一部、右は布袋図

その後も細密な水墨画を主に書いているのですが、絵に描かれた場所に行ったことはほぼなく、空想をもとに描かれた絵は、遠景の人物や馬、釣り人に至るまで筆で描いているにもかかわらず、静寂な風景の中で躍動感を感じられるものです。

80歳以上にも長生きをするのですが、その作品は狩野派や尾形光琳などに好まれて模写されていったそうです。

宣伝では奇想の元祖とか言って、それこそ奇想の代表、若冲を引き合いに出して人気を期待したようですが、期待したほどには混雑は大したことなく、ゆっくりと見て回れました。

ま、若冲の大混雑は大変でしたが、雪村の特別展も見ごたえは十分でした。

あ、ちなみに、松鷹図など細密に書かれた鳥や動物、龍はすごく迫力を感じますが、虎を描いた図は若冲のものとよく似ていて、まるで漫画のよう。(顔がかわいい)

若冲展でも感じたのですが、江戸時代までの画家は虎の本物は見たことはないのかもしれません。