


あらすじ(「BOOK」データベースより)
森の奥深くの別荘で幸子が巻き込まれたのは密室殺人だった。閉ざされた扉の奥で無惨に深された別荘の主人と、癖のある六人の客ー表題作の「大きな森の小さな密室」をはじめ、死亡推定時期は百五十万年前という抱腹絶倒の「更新世の殺人」ほか、安楽椅子探偵、日常の謎など、ミステリでお馴染みの七つのテーマに超個性派探偵たちが挑む精緻なミステリ連作集。


小林泰三さんの作品は初めて読みました。タイトルと文庫本の表紙に惹かれました。
犯人当て、倒叙ミステリ、安楽椅子探偵はおもしろかったです。犯人当ては、もちろん当てられず。他もフワッとここが鍵!?というところを見つけるも、自分ですっきり謎解きができたわけではないけれど、登場人物の個性に引きずられるように読みきりました。特に、安楽椅子探偵の新藤礼都の「馬鹿に我慢がならない」キャラクターにある種の潔さ、クールさを感じ、好きになってしまいました。たぶん私が新藤礼都と話したら「馬鹿」と言われるだろうけど‥
続く3編(バカミス、??ミステリ、SFミステリ)は、正直どこがいいのか、おもしろいのかさっぱりわかりませんでした。ただ、登場人物の個性はやはり際立っていました。
最後の1編、日常の謎。あぁそういうアプローチって気づいて、そのユーモア?オチ?を楽しみました。