


あらすじ(「BOOK」データベースより)
検事・佐方貞人は、亡くなった実業家の書斎から高級腕時計を盗んだ罪で起訴された男の裁判を担当していた。被告人は実業家の非嫡出子で腕時計は形見に貰ったと主張、それを裏付ける証拠も出てきて、佐方は異例の無罪論告をせざるを得なくなってしまう。なぜ被告人は決定的な証拠について黙っていたのか、佐方が辿り着いた驚愕の真相とは(「裁きを望む」)。孤高の検事の気概と執念を描いた。心ふるわすリーガル・ミステリー!




佐方シリーズ第1弾、最後の証人の読書感想文はこちら。
第2弾、検事の本懐の読書感想文はこちら。
第3弾、検事の死命の読書感想文はこちら
「裁きを望む」では、よりにもよって佐方は面倒な事件の担当になっちゃう、でも佐方じゃないと真相はつかめない。事件の日時に疑問を持ち紐解いていく佐方もすごいけど、最後の最後に被告人の感情を読み解いた上司の筒井がもっとすごかった!
「恨みを刻む」では、警察内部のドロドロまで描かれていて、柚月先生、すごすぎる。
「正義を質す」では、佐方が最終的に「しかるべく」と判断するとは思わなかった。佐方の泣きどころを押さえた動機の作戦成功!? いや子供の未来を思う佐方のやさしさ、かな‥
「信義を守る」では、佐方が腑に落ちない点からどんどん調べを進め、真相を突き止める、佐方らしさ全開ですごかった!
根底にある佐方の「罪をまっとうに裁かせる」という信念は相変わらず。このシリーズの続きはまだ出ていない模様。検事として活躍する佐方がどうして弁護士になったのか、そこらへんを書いてほしいです、柚月先生!