「お前、仕事しているのか。」
道東自転車旅で羅臼町の『熊の湯』に浸かっていると、管理している地元漁師さんが入ってきて最初の会話はいつもこれだった。
最近は魚も昆布も不良で漁船の油代を賄えないので出漁を制限し、「土方に出稼ぎ」しているのだそうだ。
仕事先、賃金などの情報交換の場が『熊の湯』だった。
地元でもなかなか仕事の場は少なく、出稼ぎしている漁師さんもいるようだった。
今日のニュースでサンマが激減しているという。家で炭焼きしようとしても高くて鰯だ。
根室半島の納沙布岬の鈴木食堂では名物の「サンマ丼」が冷凍物を使っているとの断り書きが店内掲示がされていた。
生命の源の一次産業への関心が薄らいでいるように思う。経済格差が拡大し、庶民の味が限られた階層のものにならないよう政治は注力しなければならない。