覇王の馬券密議

中央競馬の壮大な演出劇の真実・・・ターフ裏の怪人が饒舌に説き聴かせる回顧と予想

ヘヴンリー

2005年10月31日 23時00分05秒 | Weblog
 ヘヴンリー で思い出すことがある。今調べたら、あのライスシャワーがミホノブルボンの3冠を阻んだ菊花賞である。6枠11番 ヘヴンリーヴォイス。同枠に逃げ馬松永ミッキーのキョウエイボーガン。私はこの出馬表を見た瞬間、不審を思い、すぐさま朝日新聞社宛電話をした。

「読者の者でございます。御社では、中央競馬会の菊花賞というレースに賞品をお出しでいらっしゃいますか。その他レースの賛助、また賞金なども提供されているのですか・・・いえ、NHKさんはレースをされておりますし、或いはNHKさんと並び日本を代表するメディアである御社がどの様にレースの開催に関わっておられるかと、不図思い至ったものですから」


 実に丁寧な、ご返信が自宅の電話にもたらされた。安倍新官房長官に左翼マスコミと呼ばれるこの新聞社だが、お答えは、優勝旗 賞状などを出しているとのことであった。
 言うまでも無い。ヘヴンリーヴォイス 天声人語 である。18頭立て18着に終わる。恐かったのは、言うまでも無く、神戸新聞杯を逃げ切ったミッキーのキョウエイボーガンである。これまた16着に沈む。
 この平成元年生まれのサラブレッド世代には、歴史的画期的名馬を用意する必要があったのである。8戦7勝2着1回。GⅠ3勝、菊花賞 1馬身4分の1差で3冠にとどかせなかったのが唯一の敗戦である。ここで密かにお話したいが、ダービーは実は10年周期と言うものがあり、このブルボンというバーボンの10年後に同じくギムレットというお酒が勝つ。その前を簡単にたどればトウカイテイオーの10年後が同じく8枠大外のジャングルポケット、その前のアイネスフウジンの10年後がアグネスフライト(馬名の文字一致) その前のウィナーズサークルの10年後が同じ1枠のアドマイヤベガ、その前はサクラチヨノオーの10年後に同じ5番ゼッケン スペシャルウイークの優勝。
 このライスシャワー、ダービー 菊花賞での2度にわたるブルボンとのゾロ目死闘で見事にブルボンに入れ代わり、その後の2度にわたる天皇賞制覇、宝塚での壮絶な最期など、栄光を担った2冠馬の代用として働いたのである。
 このヘヴンリー、この92年菊花賞の恨みを、記念すべき天皇賞の舞台で、同枠に居たミッキーを背に晴らしてみせる。そして、この朝日新聞社が優勝旗を提供しているレースで来なかったヘヴンリーヴォイスの調教師が、昨日のNHK天皇賞中継で解説者として登場した高松邦男師であること、偶然ではないだろう。この馬主は、ライスシャワーの天皇賞で首差に迫り、未だに私が単勝馬券を捨てられないステージチャンプの元の馬主、学習研究社設立者 古岡 秀人さん である。この方が社台に売り渡した馬が天皇賞で来るくらいだから、向こう様に覚え目出度からぬところがあったのかも知れない。
 関西騎手会会長、フリーにならず、伝統の厩世界に身を置いた男の爽やかな馬上の最敬礼、美しく、天覧競馬が恒例になればと思う私である。英国でのように、パドックに皇族方をお迎えすることは無理としても。


 48ページのルドルフ。春の天皇賞 ジャパンカップ 有馬記念のレース写真がある以上、これら古馬の3冠を獲った馬と言うことで、始めは切り捨てる積りで居たロブロイを間接示唆しており、ルドルフの有馬連覇の写真が一番大きいことから、この馬の連覇まで考えざるを得なかったこと、ご納得頂けよう。2着に敗れた秋・天の写真だけ無いのは、ロブロイの意外な2着をも遠く示唆していたとは小憎らしい。ディープ次走有馬に、この馬に無事に出てきて欲しい。

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覚え

2005年10月31日 17時58分25秒 | Weblog
1着 ヘヴンリーロマンス 松永幹夫  1967年 4月10日生まれ 

   1959年 4月10日  皇太子明仁親王(今上天皇)が正田美智子さんと結婚

2着 ゼンノロブロイ   横山典弘  1968年 2月23日生まれ

   1960年 2月23日  皇太子徳仁親王 (皇族,今上天皇の第一男子)誕生

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2005年10月31日 17時42分14秒 | Weblog
 天皇賞 大勝に終わった切れ者から、昨日お教えいただいたことをこの場を借りてお伝えしよう。



 天皇賞で、どうしても注目度が低くなる、土曜の福島。さりげない仕込には恰好だったのだろう。

 10月29日福島


 3R 1枠1番 ミヤコノヒマワリ    成宮明光
 
 8R 1枠1番 ミヤコインザムーン  成宮明光

10R 1枠1番 ミヤコザムライ     成宮明光



 これは異常だと言うのである。異常とは、偶然にしてはあり得べからず、人為的意図的であるということである。この畏友は、帰りの電車内で、不心得者に絡まれたと聞き及ぶ。大金を所持しておられたからな。
 私も経験があるが、競馬で負けると新聞を路傍に投げ捨てる、電車の改札で切符も無くただ乗りで押し入る。公然の場所で暴言を吐く。パドックでジョッキーに罵声を投げる。階段など狭隘な場所を占拠する。外れ馬券を辺り構わず放擲し、自棄酒を呷り、品位を失する。このような競走馬から見ても恥かしい所業を為す奴らが競馬で勝てるわけが無い。競馬で勝つとは、少なくとも有名大学を出るくらいの頭と教養人たる品位が無ければ不可能なのは当たり前ではないか。向こうは知恵者である。我々も同様劣ることなき知恵者である、との自尊無く、馬券に手を出すなど自分自身からすら見下げられる所業であろう。また同時に愛国者であるべきこと、昨日の結果ですら明らかではないか。ミッキーの最敬礼、最も印象に残る競馬シーンであった。
 尤も、我々の頃と違い、今時、有名大学といって、少子化の所為かも知れないが、みすぼらしくなってきたがな。若い人々が絶対数的に減り、国家的政策として、ゆとり教育などとたわ言を抜かし、若い人々に教育より飼育を施そうと言うのは、やがて来る若者徴兵時代に向けた国家的布石であると言うのは前々から申していることがらである。私も、しばしばその施策に賛意を覚える。「君は自分の頭でものを考えることは無い、考えるのは国がやるから君は国の為に死んでくれ!」 この国の、首相や高級官僚らの声が、無言の内にも聞こえて来ないのだろうか。



 場所柄を弁えず申すが、三島由紀夫原作「春の雪」(『豊饒の海』第一巻)の映画化。あのようなものはまやかしである。あるテレビ司会者が若い頃読み、美意識に跳ね返されたと言っていたが、幼い美意識でしかない。川端康成が、源氏物語以来の傑作かと怯えたというこの作品を私は大学生になった頃合一気に読み感銘した。今読むと、不自然で、臭みが漂う。が、映画はそれ未満で、公威さんはこの部分的映像化に嫌気を覚えておられよう。三島氏は自分の作品でも容赦なく罵倒したが、長命を選べばさらに、こなれたより自然なものを書き下ろされたことであろう。



 時代がすすむと、しばしば文明は後退する



 私も、しばしばその様に思う。132ページ。1枠1番 ニホンの名を持った馬の上での凱旋姿、矢張り印象的である。日本一は名古屋で決まる と言うキャッチでの名古屋での何とかクラシック。関口さんに取り、尤も印象的な意味あるゼッケンとは、何と言っても昨日鼻差で敗れた馬と同じ、フサイチコンコルドのダービー13番であろう。
 今や In Heaven のオーナーに改めて、ご冥福の祈りを捧げたい。肩を抱いて申し上げたいな。
「ディープを最初にやぶるとしたら、それは貴方の馬ですよ」


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