昼過ぎ 雷と雨がひどかった。
家に帰ると 犬がハーハーと舌をだし 震えて異常振りを発揮していた。
ふだんならとても入れそうにない隙間に入って やっと座っている。
火事場のバカ力じゃないが・・できないことをやってしまっている。
よほど 怖い思いをしたのだろうか・・
興奮して抱いてくれとせまるが 抱き上げると上へ上へ(肩 頭)上っていく
立ち上がると いくぶんいいようだ。
困ったものだ。
雨もひどく 犬もひどく
白内障の私の目に稲妻がピカッと光る。
落ち着くまで腹をくくって 抱いていることにした。
外に目をやると たぶん鳩、じっと耐えて通り過ぎるのを待っている。
「鳩のほうがまだ勇気があるじゃない!」
何を言われても 犬は、ハッハッよだれを流してぶるぶるだ。
幼い頃 よく息をひそめて いろんな嫌なことが頭の上を通り過ぎるのを待ったものだ・・
まもなく雨も上がり
犬は、サークルの中に入れて会社へ急ぐ
鳩は、羽をふるわせていた。
なんでも通り過ぎていく
木製パレット屋のつぶやき