「鉱毒問題は、直ちに停止の外ない。今になつてその処置法を講究するは姑息だ。先ず正論によつて撃ち破り、前政府の非を改め、その大綱を正し、而して後にこそ、その処分法を議すべきである。然らざれば、如何に善き処分法を立つるとも、人心快然たることなし。何時までも鬱積して破裂せざれば、民心遂に離散すべし。既に今日の如くならば、たとひ鉱毒の為ならずとも、少しその水が這入つても、その毒の為に不作となるやうに感ずるならん。さうして如何にして民心を安んぜんや。古河も十万円位の純益を吾有にしてその他を散じ、終りを克くすれば続くが、さなくして永続する道理あらうや」(勝海舟「海舟語録」より)
足尾鉱毒問題を問う勝海舟。常に民心を第一に考え政府を正す姿勢は現代も学ばなければなりません。
足尾鉱毒問題を問う勝海舟。常に民心を第一に考え政府を正す姿勢は現代も学ばなければなりません。